出版社内容情報
児童漫画家たちの修業時代を当時の現役編集者が回想した希有の記録！
「手塚先生が逃げた！」かんづめの旅館から隙を見て映画館へと逃亡する天才漫画家と担当編集者の虚々実々のやりとりや、原稿取りの苦労話…戦後児童雑誌の隆盛期、現役編集者として若き日の石ノ森章太郎、赤塚不二夫、水野英子などを育て、彼らの夢の砦・トキワ荘に出入りした著者の軽妙な語り口による回想記。「当時のトキワ荘をまさにありのままに描いた本」（水野英子）の増補改訂新版。関係年表と登場人物小伝つき。解説・長谷邦夫。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
46
先日ちばてつやさんと高階良子さんの回想録を読んで感想をあげたら、読み友さんからこちらの本を紹介されました。いやはや、すごいなあ！戦後すぐ、娯楽に、本に飢えていた人たちと、その飢えを満たすべくクリエイター育成に余念ない編集者たち。その若いパワーにワクワクしました。巻末に牧美也子さん、ちばてつやさんらが寄稿していて、これも読めて良かったです。2023/05/16
フロム
12
名物編集者のはしりの様な人なので、漫画業界の勃興期がどういうものであったかよく伝わってくる。ジャンプの西村や後藤がもっとギラギラとしてるのと対照的で大変そうではあるがどこか牧歌的である。様々な編集者の回顧録を読むにつれ漫画界のスケジュールの殺人的な厳しさはスタートから決定づけられていて、三大週刊誌の抗争でピークに達するんだから始祖たる神様の罪は大きい。アニメもそうだが神様は中々罪作りな御仁である。でも、昔の編集者って黙っていても天才達が勝手に集まって来るんだから楽しかっただろうなぁ。2019/05/16
アメヲトコ
7
単行本は93年、増補しての文庫化は99年刊。著者は少女クラブの編集者・編集長をつとめた人物で、手塚番をしたときの苦労話や石ノ森章太郎や赤塚不二夫、水野英子らとのエピソードが中心です。話は面白いですがトキワ荘話は半分以下で、ややタイトルには偽りあり。篠山紀信や和田誠が『漫画少年』の常連投稿者だったというのは初めて知りました。2019/07/20
ヨーイチ
7
水野英子さんの記述が珍しい。小さい頃の強烈な印象に比べ、その後はどうしたの？とずッと思っていた。女流唯一のときわ荘育ちを確認して納得。
gachi_folk
7
手塚治虫担当、通称手塚番を経験した著者ならではのリアルなエピソードが満載で興味深い。トキワ荘。恐るべし。2011/08/25
