出版社内容情報
奇人変人百出、荒唐無稽の物語に陰陽思想の真髄がある。
お人よしで、気弱な惹惹は天津の老舗紙屋を営む黄家5代目「一の旦那」の嫡子。わけあって紙屋の経営は「二の旦那」に引き継がれたが、黄家「二の奥様」の病気を契機に、惹惹は紙屋を経営、天津中の奇人変人才人の力を借りて、落ち目の商いを再興。貧乏から抜け出したのもつかのま、先祖伝来の宝「金の箱」をめぐって不吉な風が……。万物は陰陽が混じりあって生まれるという陰陽の思想を、平明な物語に戻し、中国文化の深層に迫った話題作。
内容説明
お人好しで気弱な惹惹は、天津の老舗紙屋を営む黄家の嫡子。わけあって紙屋の経営は叔父夫婦に引き継がれ、惹惹は職もなく、貧乏暮らしに甘んじていた。ところが叔母の病気を契機に惹惹は紙屋を切り盛りすることとなり、天津中の奇人変人才人の力を借りて、落ち目の商いを再興。ようやく貧乏から抜け出せると安堵もつかのま、また不運がやってきた―。陰陽の思想を市井の人々の物語に戻し、中国文化の深層に迫った話題作、待望の文庫化。