出版社内容情報
文学に味覚あり。味覚に人生の哀歓あり。
谷崎潤一郎から司馬遼太郎まで文学に描かれた食の情景から人生の哀感を味わい、老舗の洋食屋で舌鼓を打ちながらそこに集った作家たちに思いをはせ、旅先で出会った美味と人情に心をなごませる。食いしん坊の文芸評論家が文学と食、そして人とのかかわりを綴った食のエッセイ決定版。食や味覚がいかに人生の哀歓を描き出すのに重要な役割を担っているのか、文学ファンも食いしん坊も楽しめる一冊となっている。
目次
人の抄(明治の文学と食べもの;うなぎへの執心―子規と茂吉;鴎外の日本食論―「日本兵食論大意」ほか;米麦論争の小説『白い航跡』をめぐって;谷崎潤一郎「美食倶楽部」 ほか)
食の抄(囚人墓地;味噌カツ;五平餅旅情;なつかしい店・上野界隈;なつかしい店・須田町界隈 ほか)