出版社内容情報
数多くの少年事件を担当している伊藤弁護士が、33人の加害少年たちの、報道されなかった素顔と秘話を綴るドキュメント。「女子高生コンクリート詰め殺人」「渋谷センター街殺人」など衝撃的事件の裏のドラマが明かされる。
内容説明
報道されなかった33人の少年の素顔。「女子高生コンクリート詰め殺人事件」「渋谷センター街殺人事件」ほか、数々の衝撃的事件の裏の“もうひとつのドラマ”を担当弁護士がいま明かす。
目次
第1部 母の愛を求めて(女子高生コンクリート詰め殺人事件;暴走族・凶器準備集合事件;新聞専売所放火殺人事件 ほか)
第2部 家族病理が生むもの(覚せい剤少年窃盗事件;シンナー少年バイク窃盗事件;渋谷センター街殺人事件 ほか)
第3部 子育てを知らない親たち(通行人バタフライナイフ恐喝事件;14才家出少年連続窃盗事件;タイ人少年“別れ話”傷害事件 ほか)
第4部 いじめ・矛盾―学校と体制への反発(熱血教師刺殺事件;中学“体罰教師”暴行事件;女装少年強盗致傷事件 ほか)
第5部 少年たちは何に救われるのか(大麻少年との対談;暴力少年との対談;私が出会った少年たち)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鈴
20
著者(弁護士)が扱った数々の少年事件。しょっぱなから女子高生コンクリート事件の少年Bが出てくるが、確か少年Bってまた事件をおこしたんだよなぁと思いつつ読んだ。ほとんどの少年が家庭に問題があった。やっぱり結局は家庭なのか、結局は親なのか…。2012/08/11
いっちゃん
13
子育てにおいての、母親の存在が大きすぎて、改めて子育ての難しさを知る。弁護士にも、やれることは限られてるんやなと、ため息が出る。2016/03/17
あんころ
6
この本だと少年少女が犯罪を犯してしまうのは家庭環境と親の教育のせい、という感じで、個人的にはそれがひっかかる。確かに家庭環境は子供達の中で大きな比重を占めているし、無視できないけれど、それが全てでないし、家庭以外の心の休まる場所だったり、信頼できる大人がいることが大事なんではないかなと思いました。最初の女子高生コンクリ事件の犯人のことも同情的に書かれていたけれど、その少年Bは成人後結局また事件を起こしているわけで、結果論でしかないけれど、更生とは簡単にはできないものなのかなあと複雑な気持ちになりました。2016/11/07
那由田 忠
2
少年事件にはかなりはっきりした背景があって事件が起こる、と著者は訴えている。荒れた親子関係や勝手なルールを押しつける学校。1990年代までの事件なので、今であればありえないような対応をとっていた学校や教師が存在していた。そこは大きく変わったけれど、親子関係はますます混迷を深めているのだろうなと思う。その意味で、現在の少年たちがけなげに生きているのだと思う。2012/06/08
外野
2
犯罪を犯した少年の経緯とその後等。少年犯罪はどうなのだろうと手を伸ばしたが如何せん発行が古くて現代とのギャップがあった。それでも思うのは子供に親の愛は必要だという事。2012/01/10
-
- 洋書
- Dutiful Son