ゆめいらんかね やしきたかじん伝

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  • サイズ B6判/ページ数 269p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784093897525
  • NDC分類 767.8
  • Cコード C0095

出版社内容情報

関西の視聴率男の「心奥」を描く

2014年1月3日、歌手でタレントのやしきたかじん氏が食道ガンで死去した。関西を中心に活動してきた、いわば”ローカルタレント”である。
しかし、翌日の全国紙はその死を大きく報じた。死後2か月後にとりおこなわれた偲ぶ会の発起人には、安倍晋三首相、建築家・安藤忠雄氏など各界の大物が名を連ねるなど存在感の大きさを示した。
ただし、数多の追悼番組が組まれ、芸能人との交遊録も語られたたかじんだが、素顔はあまり知られていない。
なぜ東京進出に失敗し、その後、東京の番組出演を避け、さらには東京への番組配信すら禁じたのか。晩年、なぜ政治に接近し、政治家を生む原動力となっていったのか――。
取材で明らかになっていったのは、ある作詞家が「小心者で、優しくて、気の弱いおじさん。あの人は、やしきたかじんを演じていたと思う」と評したように、一見、剛胆にみえるたかじんのあまりに一本気で繊細すぎる一面だった。本書は内なる葛藤を抱えながら、自らに求められた役割を「演じ続ける」たかじんの「心奥」を、たしかな取材で描いていく。


【編集担当からのおすすめ情報】
2014年小学館ノンフィクション大賞優秀賞に選ばれた人物評伝です。

角岡 伸彦[カドオカ ノブヒコ]
著・文・その他

内容説明

関西の視聴率男の「心奥」を描く2014年小学館ノンフィクション大賞優秀賞受賞作。

目次

序章 プロフェッショナル
第1章 ルーツ
第2章 酒場の契約歌手
第3章 タレント開眼
第4章 『あんた』のバラード
第5章 東京
第6章 震える歌
第7章 司会者と政治家
第8章 縫合不全
終章 幕が下りてから

著者等紹介

角岡伸彦[カドオカノブヒコ]
1963年、兵庫県生まれ。関西学院大学社会学部を卒業後、神戸新聞記者などを経て、フリーライター。2011年、『カニは横に歩く 自立障害者たちの半世紀』(講談社)で第33回講談社ノンフィクション賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

古古古古古米そっくりおじさん・寺

70
私の住む広島県でも、私が十代の頃、お昼に『晴れ時々たかじん』という帯番組をやっていた。これが楽しみで毎日録画して見ていた。それ以前から名前くらいは聞いた事がある存在だったが、この番組の成功以来、あれよあれよと関西の重鎮になったのを覚えている。そんなやしきたかじんの伝記だが、面白い。出自のコンプレックスとアーティストらしい周囲に対する甘え。芸人らしくあろうとする故の無頼。そして暴力。破天荒であろうとする生き様は、惚れた人間でなければはた迷惑なものであっただろう。死後の騒動もその人生の余波である。2015/04/14

kinkin

50
2014年に死去したやしきたかじん氏の生涯。彼と交友のあった知人、関係者や家族の証言とともに書かれている。関西ではその本音トークで絶対的な人気を誇った彼の人物像が浮かぶ。彼の破天荒な生活が描かれていた。そのの根っこにあるのは彼の出自やコンプレックスが一因でもある、そんなことが読み取れた。しかし、やしきたかじんという人物は本一冊でまとめあげられる人ではないと思う。今、彼が生きていて本を読んだら、かなり怒り、泣き、照れるのではないだろうか。2015/09/10

くさてる

17
歌手としてもタレントとしても、素直に好きだったたかじん。「殉愛」は気持ち悪くてどうしても読み通せなかったけれど、これは私の知ってるたかじんだなあと思いました。けして褒められた性格ではなく、ええかっこしいの寂しがり屋のおじさん。なにかと毒づきながらも、ぽんと気紛れの優しさを差し出すことは躊躇わない性格。評伝を書くにしても、芸能界という世界で成功するだけの個性だけあって、一筋縄ではいかない対象だったと思います。興味深い内容でした。2015/05/11

澤水月

17
知らぬ人だが切ない。新聞記者志望でラジオDJ時、自腹で災害など必ず現場踏み報じる姿勢。がん解る間際大急ぎで「看取り人」求めもう再婚してる2番目妻に必死に復縁要求。代表曲『東京』は動画確認すると肝心の「東京」大阪によく歌い代えてる。歌至上だった筈が情熱なくし政治に擦り寄る矛盾。病み上がりの松山千春迎え『東京』デュエット自身の復活舞台で歌うも客の多くが千春目当て、しかも下手に歌われたと故桑名に泣く(動画確認、素人目には千春のが伸びやかに見えた)が最期は東京の病院縋る。著者主題なのか出自に拘り過ぎのきらいが…2014/11/15

遊々亭おさる

16
おもろうて、やがて悲しき…、を体現した愛を歌う関西の視聴率男、故やしきたかじん氏の評伝。視聴者がテレビを通じてイメージする人物像が大きく覆されるものではなく、掘り下げが浅いと感じる部分もあるものの豪胆と繊細、強さと弱さ、正と邪など相反する要素が複雑に絡み合ったたかじん像は興味深く読めた。大雑把に纏めるならば文中に出てくる人物のたかじん評『面倒くさい人』ということになるかと思うが、サラリーマンよりもサラリーマン然としたその他大勢のタレントさんよりも偶像として魅力的だったのは確か。側にいたら迷惑だろうけど。2014/12/30

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