出版社内容情報
今年7月、判決確定から2年という異例の速さで戦後最年少で死刑執行された山地悠紀夫の2度の殺人事件を、週刊ポスト記者として取材した著者が、その取材データすべてをつぎ込んだ渾身のノンフィクション・ノベルス
内容説明
平成12年7月29日初体験の3日後、16歳の少年は母親を金属バットで殴り殺した。平成17年11月17日美人姉妹のマンションに侵入した22歳の青年は、ふたりをナイフで殺害し、放火して逃亡した。追跡9年!執念の取材を続けたジャーナリストが到り着いたふたつの殺人事件を結ぶ「犯人のたった一度の恋」とは?第15回小学館ノンフィクション大賞優秀作。
目次
死刑執行
誕生
父親
不登校
初恋
母殺し
少年審判
少年院
ゴト師
犯行
逮捕
裁判
著者等紹介
小川善照[オガワヨシアキ]
1969年、佐賀県鳥栖市生まれ。東洋大学大学院社会学専攻科博士前期課程修了。社会学修士。学部在学中より、フリーライターとして雑誌記事の取材、執筆の活動をはじめる。1997年から週刊ポスト記者として、事件取材などを担当。『我思うゆえに我あり』で、第15回小学館ノンフィクション大賞の優秀賞を受賞。社会の病理としての犯罪に興味を持ち続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なるときんとき
11
16歳で母親を殺し、21歳で姉妹を強姦殺人し、死刑になった山地悠紀夫の生涯を小説形式で描いたもの。祖母と父親がアル中で働いてないので母親は離婚すればよかったのに。小学校五年生で血を吐く父親を母に言われて見殺しにしたのはつらいな。少年院に入って学び直して更生しようと働いていたところに、少年院で見知った顔が現れて母親殺害をバラすと脅されて裏の世界に行くことになったのは気の毒だ。被害者と被害者の家族は本当につらくてやり切れないと思うけど、山地の友人や最初の事件の弁護士もつらい。山地は殺人に対して反省していない2021/09/19
鈴
6
「死刑でいいです」では知りえなかったことも書いてあり、より一層 事件についてわかった気がする。死刑しかありえないんだろうけど、やりきれなさで泣けて仕方なかった。あの時ああだったら、この時こうだったらという場面がたくさんあったけれど、結局はどの道を通っても被害者が変わるだけで、彼は同じ運命を辿ったのかなという気がする。2011/04/29
だけど松本
5
小説の形をとったとはいえ、ほぼドキュメンタリーなので、犯人が黙してしまえば何もわからない。こんな人がいたんだ、いやだなあ怖いなあ、悲惨な家庭環境で育つ人はいても 皆がこうなるわけじゃないのにわからんなあくらいしか考えられない。2022/01/18
豆
4
2005年、実際に起きた姉妹殺害事件の犯人であり、25歳にして死刑判決を受けた山地 悠紀夫の生涯を描いたノンフィクションノベル。自分は生まれてくるべきではなかったと語り、死刑判決を正面から受け止める山地の心中はどんなものだろう。 辿った道筋が少しずれさえしていれば、違う人生になっただろうと思う一方、結局は被害者が異なるだけかもしれないとも思う。2021/11/13
金平糖
4
B。2019/05/19