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出版社内容情報
アヘン戦争以来のアジアの歴史の大きな転換点「香港返還」。21世紀のアジア情勢はどのようにして変化していくのか? 台湾に生まれ、香港に亡命、日本に帰化し、作家、実業家として生き、三つの地域を熟知する著者が、返還後の「香港の読み方」を解き明かす。
「いま私は香港に住んでいる。まさか自分がこれほど香港とかかわりがあるようになろうとは、子供の頃の私は想像もしていなかった」??著者は50年にも及ぶ香港とのかかわりを思いつつ、そうこの本を書き出しています。台湾に生まれ、植民地の“日本人”として教育を受けた著者は、台北高校では李登輝・台湾総統とクラスメートでした。東大卒業後、台湾に帰った著者はエリート銀行マンとして働いていましたが、やがて戦後の台湾で独立運動にかかわることになります。自分が書いた国連への請願書がAP、UPの「台湾の人が独立運動をしている」との報道になり、大騒動になります。つかまれば生命がないという状況のなかで、著者は香港へ亡命することを決意し、機上の人となりました。その後6年間香港で亡命生活を送り、日本とのビジネスでチャンスをつかんだ後に来日し、亡命当時の経験をもとに書いた小説『香港』で直木賞を受賞します。その後、日本で作家として、実業家として活躍する邱永漢氏の姿は、広く知られている通りです。「亡命者」「作家」「実業家」としてこの地とともに生きてきた著者が語る「香港」は、まさに他の誰も語れない香港なのです。