出版社内容情報
若冲を再発見した研究者の自伝的エッセイ
江戸中期の絵師・伊藤若冲を「奇想の画家」として再発見し、若冲ブームの扉を開いた日本美術史の大家・辻惟雄氏(1932年生まれ)の自伝的エッセイ。
戦争と重なる少年時代、若冲との出会い、1970年の『奇想の系譜』上梓を経て、日本美術隆盛の今日までを綴る。日本経済新聞「私の履歴書」の連載原稿をもとに加筆。
村上隆、山下裕二ら美術界の著名人から辻氏に宛てた手紙も掲載。従来の美術史を根底から覆し、斬新な美術史観で「奇人」と呼ばれながら、後進たちにディープインパクトを与えた辻氏の、ものの見方、考え方が垣間見える一冊。
内容説明
若冲を見出した日本美術史界の奇才が90歳にして生涯を振り返る。
目次
幼少時、あだ名は「めそめそピーピー」
幼稚園、かなわぬ恋の「事始め」
戦争に地震、恐怖が日常に
終戦の玉音放送はひとり自宅のラジオで
美術部で写生に励み、日比谷高校への編入をめざす
浪人覚悟も東大合格。しかしいきなりの留年
2年連続の留年で医学部断念。美術史学科に転部
「雪舟展」をきっかけに日本絵画に傾倒。卒論は浮世絵をテーマに
母、49歳で逝く。美術史の研究を生涯の仕事と決める
大学院進学。吉川逸治先生の講義で開眼〔ほか〕
著者等紹介
辻惟雄[ツジノブオ]
美術史家。1932年名古屋市生まれ。東京都立日比谷高等学校、東京大学文学部美術史学科卒業。同大学院博士課程中退。東京国立文化財研究所技官、東北大学文学部教授、東京大学文学部教授、国立国際日本文化研究センター教授、千葉市美術館館長、多摩美術大学学長、MIHO MUSEUM館長などを歴任。東京大学・多摩美術大学名誉教授。1970年に刊行された『奇想の系譜』(美術出版社)で、岩佐又兵衛や伊藤若冲などを「奇想の画家」としていち早く再評価し、琳派や文人画、円山派などを中心に語られてきた近世絵画の見方を大きく変えた。2016年に文化功労者に選出され、2017年朝日賞受賞、2018年瑞宝重光章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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