出版社内容情報
人間国宝、歌舞伎俳優、最期の日々に迫る
●コロナ禍、名優が悟った「舞台でしか生きられない・・・」
倒れる直前まで書き続けた連載エッセイ。
数年先まで演じたい役があったという吉右衛門丈だが、
老境の人生観、未来への金言が綴られていて、
まるで我々への遺言かと思われるような話に胸が熱くなります。
「生きていることは本当に本当に幸せで嬉しいことです」
(2章 随筆より)
●舞台での圧倒的なオーラをカラーで堪能。芸談も!
命がけで挑んだ晩年の舞台は圧巻。
若い役者やファンに向けて語った貴重な芸談も見逃せません。
●描き溜めた役者絵、日日の絵の数々
若い頃から描くことが日常だった吉右衛門丈。
当たり役から、カレンダー裏に書き込んだラフ画、
未完成の絵本など一挙公開。
●貴重な吉右衛門夫人インタビューも
19才の時、ひと回りはなれた吉右衛門丈と結婚した知佐夫人。
今まで表に出てこなかった夫人の、
出会い、右も左もわからなかった歌舞伎世界、
素顔の吉右衛門丈など、初めて語る内容が満載です。
●鬼平ファン必読。作家逢坂剛が特別寄稿
「鬼平犯科帳」で吉右衛門ファンになったという方々にも!
ぜひご一読ください。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaz
1
あまり馴染みは無いが、写真からはやはり迫力を感じる。図書館の内容紹介は『昭和~令和の歌舞伎に大きな足跡を残した中村吉右衛門。晩年の舞台や楽屋での姿を記録した写真、雑誌「本の窓」に掲載した随筆、当たり役の数々について語った芸談、自身の手による絵画作品を通して、その芸と人柄を辿る』。 2023/06/21
はかせ
1
晩年あのエッセイはこのひとのひととなりがよくでたもの。見た舞台はわずかですが大きなひとだったなあ。2022/10/10
NAGISAN
0
令和3年ご逝去。テレビの長谷川平蔵のイメージが強いが、重厚な朗々たる台詞回しは歌舞伎ファンをうならせる。すべてを観たわけではなかったが、熊谷陣屋が印象に残っている。『本の窓』に掲載されたものだが、播磨屋さんの素晴らしい、才能豊かさを思い知った。2022/10/15