赤ちゃんポストの真実

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赤ちゃんポストの真実

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  • サイズ B6判/ページ数 320p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784093887724
  • NDC分類 369.41
  • Cコード C0095

出版社内容情報

誰も知らなかった赤ちゃんポスト

やむなき事情で育てられない赤ちゃんを病院が匿名で預かる。その後、特別養子縁組を目指す。2007年に慈恵病院が開設したのが「赤ちゃんポスト」である。「命を救う」という理念のもと10年以上運用されてきたが、同病院に続く施設は現れない。法整備も進まない。内情を知ると一筋縄ではいかないことがわかる。

2019年3月までに預けられた144人中、病院が想定した早期新生児は76人。残りの約半数が、ある程度育った赤ちゃんだった。開設第一号は3歳児だ。障害児や外国人の赤ちゃんもいる。いずれも出産状況が分からないため医療者の負担も大きい。

大手メディアが美談として報じる一方で、こぼれ落ちた事実がある。ポストに預けるため熊本入りする妊婦がいる。育った子は「出自を知る権利」を持ち合わせていない。ドイツでは、ポストが乳児遺棄の減少に寄与していないという報告書も出された。

「匿名」という壁をこえ、地元記者が細い糸をたどるようにポストに預けた母、預けられた子を訪ねた。また数多くの医療・福祉関係者や熊本市長や県知事にもあたった。賛否ではなく、赤ちゃんポストが照射する「真実」をひたすら描いたルポルタージュ。

【編集担当からのおすすめ情報】
熊本日日新聞記者として、赤ちゃんポストを担当していた筆者が、地元を練り歩いて取材したノンフィクションです。母はなぜ我が子を預けたか。その背景に、日本社会の「歪み」が見えてきます。赤ちゃんポストへの理解を深めるだけでなく、出産という選択を迫られた母親たちの心情を知る上でも、必読の一冊です。

内容説明

慈恵病院(熊本市)が開設した「赤ちゃんポスト」は“命を救う”という理念のもと、理解を広げてきた。だが、実際の運用は想定外の連続である。2019年3月までに預けられた144人中、病院が想定した早期新生児は76人。残りの約半数が、ある程度育った赤ちゃんだった。開設第一号は3歳児だ。障害児や外国人の赤ちゃんもいる。出産状況が分からないため医療者の負担も大きい。育った子は「出自を知る権利」を持ち合わせていない。さらに同病院は19年末、妊婦が匿名のまま病院で出産できる「内密出産」も導入した。いずれも国の法整備は追いついていない。開設されて13年―赤ちゃんポストが日本社会に問いかけたものとは何か?「命」を巡るノンフィクション。

目次

序章 罪の意識
第1章 命を救う
第2章 市長の葛藤
第3章 想定外
第4章 出自を知らない子どもたち
第5章 抑止力
第6章 世界のポスト
第7章 理事長との対話
第8章 神の手と呼ばれて
第9章 内密出産
第10章 メディアと検証
終章 真実告知

著者等紹介

森本修代[モリモトノブヨ]
1969年熊本県生まれ。静岡県立大学在学中にフィリピン・クラブを取材して執筆した『ハーフ・フィリピーナ』(森本葉名義、潮出版社、1996年)で、第15回潮賞ノンフィクション部門優秀作。1993年熊本日日新聞社入社。社会部、宇土支局、編集本部、文化生活部編集委員などを経て、現在、編集三部次長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まるほ

49
【とても真摯なルポタージュ】平成19年、熊本県の慈恵病院に設置された「こうのとりのゆりかご」という名の“赤ちゃんポスト”。県内で発生した新生児遺棄事件をきっかけに、一民間病院が新生児の命を救う目的を第一に設置したもの。この功罪を深く掘り下げる。▼この病院の理事長の理念・信念は素晴らしい。しかし理念は素晴らしくても、現実にはそれだけでは済まないことも多々ある。新生児の命か、遺棄された子の福祉か、これは二者択一の問題ではない。だからこそ難しい。赤ちゃんポストは、決して美談100%のものではない。(続)2023/11/04

がらくたどん

47
ボーイフレンドとの性交の結果「予期せぬ」妊娠に孤立を強いられ自死しかけた少女が一時退避と相談の場を持てたことで幼いなりに考えを整理してゆく物語を読んでいる時に丁度熊本での内密出産の報道があった。本書は熊本慈恵の「ゆりかご」開設から15年(初年度に保護された子供たちは思春期を迎える)を経た現在から俯瞰した「ゆりかご」報道の検証。出自の認知を含めた子供の権利・妊娠における母子の権利と男性の責任・妊娠可能年齢に達した少年少女への教育の在り方。本来なら15年前の一石から自分たちが考えるべきだった点が示される。2022/03/03

ちえ

38
熊本日日新聞記者としての取材がベースになっている。赤ちゃんポストのことは「赤ちゃんの命を助けるため病院が設置している」というくらいの知識しかなかった。この本を読んで考えてもみなかったことが沢山書かれていて混乱している。病院が「匿名」を謳っていても、入れられた子は警察と児童相談所に連絡され戸籍法上「棄児」として扱われる。児相は一時保護し身元が分からない場合親を探す。見つかった場合、親が自分で育てる意思を示すこともあるが「(赤ちゃんポストは)匿名ではないのか」と認めない場合もある。保護された子供は名前がない↓2021/11/11

38
この本を読んだ後に慈恵病院のこの本に関しての見解と蓮田健副院長のブログを読みました。わたしは蓮田副院長の方が矛盾がないように感じました。2020.07.052020/09/24

マイケル

21
命を救うというメディアの美談報道に疑問を感じた著者の当事者たちへの取材から色々問題点が浮上。国民皆保険の日本で無保険に。AIDの子のように自分のルーツが分からない。 そのため、赤ちゃんポスト理事長への取材はかなり険悪な雰囲気に。正しい事という信念だけで法律(遺棄罪/戸籍)などを無視したクーデター的な開設。理事長の親の影響か。最後に障害者との関連や遺伝性疾患FAP取材。約1割が障害を持つ赤ちゃん。中絶よりましだが内密出産では問題は解決しない。「「鬼畜」の家:わが子を殺す親たち(石井光太)」に関連する良書。2020/11/20

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