出版社内容情報
四代をつなぐ40のことばと生きていく力
だれにでも、日々の暮らしに根づいたことばがあります。それは、それぞれの家族の生き方や暮らし方をあらわし、知らず知らず自分のよりどころにしていることばです。
曾祖父・幸田露伴、祖母・幸田文、母・青木玉から筆者まで四代をつなぐ幸田家のことばには、意気があり、ユーモアがあり、折り合いをつけながらも潔く生きるための力があります。
「あなたがこれから先、何か迷うことにぶつかったときは”とやせん、かくやせん、せぬことぞよき“と心に留めておきなさい」
ある時、母から言われたことも、「しようかやめようか迷うときはやめるほうがいい。しなければならないことなら、いずれ機会は巡るもの」という意味を持つ、母自身がよりどころにしていることばだったといいます。
「心ゆかせ」「ぞんざい丁寧」「猫根性」「桂馬筋」「人には運命を踏んで立つ力があるものだ」……幸田家のことば40語に込められた生きる道理をひもとく本書は、家族とともにあることばが自分にとって大切な財産と気づかされる心に響く一冊です。
【編集担当からのおすすめ情報】
2017年は幸田露伴生誕150年。改めてその哲学、生き方が作品とともに注目され、文京区では記念関連企画が予定されています。
はじめに
幸田家関係略系図
1 心頼み
一寸延びれば尋延びる
一寸三針五分ひと針
ぞんざい丁寧
立つときには倍の力になる
終わりよきもの、みんなよし
こぼれ種
先年の古藤のごとく
2 一事が万事
小どりまわし
女はどんなときでも見よいほうがいい
身上も軽けりゃ身も軽い
亠に乂
人の暮らしには、寝るにも起きるにも音がある
知識とは伸びる手、わかるとは結ぶこと
桂馬筋
3 分相応
古川に水絶えず
持ったが病
栄耀の餅の皮
「包む」には庇う心がある
欲と道連れ
出ず入らず
4 行動を起こして知る
些細なつらぬき
本当のいやなこと
知る知らぬの種
とやせんかくやせんと思うときはせぬことぞよき
明けまして、という挨拶には希望がこめられている
心ゆかせ
5 融通無碍
寝るぞ根太 頼むぞ垂木
あなたのお庭に木が何本
魚身鶏皮
かけかまい
旨いものは宵に喰え
努力加餐
猫へい
猫根性
6 運命を踏んで立つ
人には運命を踏んで立つ力があるものだ
下手の考え休むに似たり
私の行く先ゃ花となれ
猿守り
みそっかす
ケチな根性
あとがき にかえて
青木 奈緒[アオキ ナオ]
内容説明
曾祖父・幸田露伴、祖母・幸田文、母・青木玉、そして筆者へと連なる40のことばからひもとく珠玉のエッセイ集。
目次
1 心頼み
2 一事が万事
3 分相応
4 行動を起こして知る
5 融通無碍
6 運命を踏んで立つ
著者等紹介
青木奈緒[アオキナオ]
東京・小石川生まれ。学習院大学文学部ドイツ文学科卒業。同大学院修士課程修了。オーストリア政府奨学金を得てウィーンに留学し、足かけ十二年ドイツに滞在。1998年に帰国して『ハリネズミの道』でエッセイストとしてデビュー。2002年、2009年に日本エッセイスト・クラブのベスト・エッセイ集に選ばれる。NHK放送用語委員。幸田露伴は母方の曾祖父、幸田文は祖母にあたる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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