出版社内容情報
三浦綾子作品はなぜ今も人を感動させるのか
キリスト者の視点から、『氷点』をはじめとする数多くの作品を発表した作家・三浦綾子。本書は、その代表作を読み込むことで、作家が何を言おうとしていたのかを探っていきます。軍国教育に献身した小学校教師である自らに絶望し退職、結核や自殺未遂を経て、キリストに出会った三浦は、作品を通して、自らの思いを一貫して伝えてきました。愛と罪、許しとは。人はどう生きるべきか――。
三浦綾子記念文学館の特別研究員である著者が、12回に渉って行った連続講演をもとに、三浦文学のテーマと本質を分かりやすく綴っています。モノと金にまみれ、心の豊かさを忘れがちな我々の心に響くメッセージに、是非触れて下さい。
【編集担当からのおすすめ情報】
今年は、『氷点』入選後50年目を迎えます。三浦綾子記念文学館では、“『氷点』50年記念事業”としてさまざまな企画を行いますが、本書は、『氷点』記念出版の1冊として、三浦綾子さんのエッセイ集『ごめんなさいといえる』と同じ日(三浦綾子さんの誕生日である4月25日:奥付表記)に刊行されます。
内容説明
名作『氷点』をわかりやすく解説しながら、「人間が人間として人間らしく生きることの難しさと素顔らしさ」に迫っていく。三浦文学館特別研究員による、初の評論集。
目次
三浦綾子を読む鍵―『道ありき』が語るもの
『氷点』はこうして生まれた
冒頭から読む“原罪”の森の文学
「汝の敵を愛せよ」と啓造の苦悶
佐石土雄とルリ子の物語―三浦文学の原風景
洞爺丸事件が語る『氷点』の核心
かけがえのないものを求めて―『嵐が丘』と正木次郎
徹―たったひとりの兄の愛と罪
夏枝―美という偶像
村井靖夫と松崎由香子―ねじれた愛の行方
陽子―清さと淋しさの道
陽子の遺書―“ゆるし”への希求の始まり
高木と辰子―それぞれの『氷点』の物語
おわりに
著者等紹介
森下辰衛[モリシタタツエ]
1962年岡山県生まれ。山口大学及び同大学院にてフランス文学、日本近代文学を学ぶ。1992年より2006年まで福岡女学院短大及び大学で日本近代文学やキリスト教文学の講義を担当。2001年より九州各地で三浦綾子読書会を主宰、2011年より三浦綾子読書会代表。2006年より三浦綾子記念文学館特別研究員、2007年福岡女学院を退職して家族と共に旭川に完全移住し、旭川を拠点に全国を飛び回って三浦綾子の心を伝える講演、読書会活動を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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