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ポケットに物語を入れて

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  • サイズ B6判/ページ数 282,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784093883641
  • NDC分類 019.04
  • Cコード C0095

出版社内容情報

読書名人・角田さんの、濃厚な読書エッセイ

『私たちには物語がある』につづく〈本をめぐるエッセイ集〉第2弾!

宮沢賢治、ヘミングウェイ、開高健、池澤夏樹などの古典的な名作から現代作品まで、延べ80冊におよぶ本にまつわるエッセイがつまっています。

1 文庫本と私/冬の光(宮沢賢治の童話)/なんて明るい小説なんだろう(太宰治『斜陽』)‥‥ 2 食べることの壮絶(開高健『最後の晩餐』)/小説は世界を超えることができるのか(池澤夏樹『光の指で触れよ』)/もんのすごくかわいい(佐野洋子『コッコロから』‥‥ 3 生きていくのに必要なもの(よしもとばなな『どんぐり姉妹』)/恋のようなものと、ほんものの恋(佐藤多佳子『黄色い目の魚』)‥‥ 4 私に向かって投げられたボール(伊集院静『ぼくのボールが君に届けば』/「私」になるための決意(沢木耕太郎『あなたがいる場所』)/まっとうに生きるとはどういうことなのか(ヒキタクニオ『角』)‥‥ 5 忌野中毒(忌野清志郎『忌野旅日記』)/私たちの知らない世界(大竹伸朗『カスバの男 モロッコ旅日記』)/ああなんて、楽なのだろう(酒井順子『29歳(ニジュク)と30歳(サンジュウ)のあいだには』)‥‥

内容説明

本は、開くとき、読んでいるときばかりではなく、選んでいるときからもう、しあわせをくれるのだ。まるで旅みたい。読書という幸福な時間をたっぷりつめこんだエッセイ集。

目次

1(冬の光―宮沢賢治の童話;なんて明るい小説なんだろう―太宰治『斜陽』 ほか)
2(食べることの壮絶―開高健『最後の晩餐』;問い続ける、書きつづける―開高健『戦場の博物誌開高健短篇集』 ほか)
3(意地の悪い本?―江國香織 絵・荒井良二『ぼくの小鳥ちゃん』;人と人がつくる「迷路」―江國香織『金米糖の降るところ』/山田太一『読んでいない絵本』 ほか)
4(一九八〇年代の青春―吉田修一『横道世之介』/都築響一『バブルの肖像』;騙される側の爽快な復讐物語―吉田修一『平成猿蟹合戦図』/長友啓典『死なない練習』 ほか)
5(忌野中毒―忌野清志郎『忌野旅日記』;安心しろ。君はまだ大丈夫だ。―忌野清志郎『瀕死の双六問屋』 ほか)

著者等紹介

角田光代[カクタミツヨ]
1967年生まれ。90年「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞を受賞してデビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で野間文芸新人賞、2003年『空中庭園』で婦人公論文芸賞、05年『対岸の彼女』で直木賞、06年「ロック母」で川端康成文学賞、07年『八日目の蝉』で中央公論文芸賞、11年『ツリーハウス』で伊藤整文学賞、12年『紙の月』で柴田錬三郎賞、『かなたの子』で泉鏡花文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

hiro

122
旅好き、読書好きな角田さんの書く本を分類すると、最初はもちろん小説、そして旅行エッセイと読書エッセイだろうか。この本は角田さんが書いた文庫の解説や週刊誌に載った書評(以前読んだ『私たちには物語がある』では感想文といっていたが)などを集めた読書エッセイ。取り上げられている本は、ヘミングウェイ、太宰治から忌野清志郎までと大変幅広い。小説だけに偏っていないこれらの本で、角田さんの読書の幅広さがよくわかる。この本を読んで、岡崎武志さんの『古本生活読本』を読みたくなり、Amazonでもちろん古本を注文した。2014/11/12

あつひめ

86
しまった!これは、角田さんが読んだ本の書評だったのですね。読みたい本が増えてしまいました。さすが同業者。上っ面な感想ではなく、作品を細やかに隅から隅までをじっくり読んでる。すごいわぁ。3万円分の好きな本を買ってもいい…なんてこと言われたら…私は買えないかも。欲しい本がたくさんありすぎて決められないから…。お気に入りを集める癖が全くないから図書館で満足しちゃうから。でも、作家さんなら、職業柄そうもいかないよねー。2014/09/19

美登利

77
読書歴が長い方だと自負しているのですが、読メを知ってからも思うこと。どれだけ狭い範囲での見知った作家さんの本しか読んでいない自分に驚かされます。この世には星の数ほどの本があるわけで。角田さんが割と大人に近くなってから読み、感動し何度も読み返した本もあれば、はっきりと作家としての在り方を教わったと言われている本も紹介されています。それが色々なジャンルに渡っていることへの驚き、自分が読んだ本であればそうそう!と感じることの楽しさ。絶対、このオススメ本読みたいと思うのが更に増えました。困りますね。2014/07/16

抹茶モナカ

68
基本的に文庫本に付された角田さんの書いた解説が収録された書評集なので、以前、感想文をまとめて発表した『私たちには物語がある』よりは、本を読んでの気付きを深く書かれている印象。角田光代さんという作家もキャリアを重ねて、感性も磨かれて、言葉も洗練されて行っているのだな、と思った。読書傾向も色が出て来ていて、収録された文章も選んだものだろうから、紹介された本は角田さんを信じて、読んでみたくなった。2014/07/29

ぶんこ

66
角田さんの書評本2冊目ですが、広汎な読書量・分野に改めて驚かされました。 しかも読み込み方が半端ではない! 読み進める程にため息が出ました。 角田さんのブログを読んでも感じるのですが、 いつも普通。 驕り高ぶったところがなく、普通の人と思わせるのですが、とんでもなく立派な人でした。 途中までは読みたい本をメモしていたのですが、あまりにも多いので諦めました。 凄いです。ため息の連続です。 尊敬します。2014/12/11

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