出版社内容情報
読書名人・角田さんの、濃厚な読書エッセイ
『私たちには物語がある』につづく〈本をめぐるエッセイ集〉第2弾!
宮沢賢治、ヘミングウェイ、開高健、池澤夏樹などの古典的な名作から現代作品まで、延べ80冊におよぶ本にまつわるエッセイがつまっています。
1 文庫本と私/冬の光(宮沢賢治の童話)/なんて明るい小説なんだろう(太宰治『斜陽』)‥‥ 2 食べることの壮絶(開高健『最後の晩餐』)/小説は世界を超えることができるのか(池澤夏樹『光の指で触れよ』)/もんのすごくかわいい(佐野洋子『コッコロから』‥‥ 3 生きていくのに必要なもの(よしもとばなな『どんぐり姉妹』)/恋のようなものと、ほんものの恋(佐藤多佳子『黄色い目の魚』)‥‥ 4 私に向かって投げられたボール(伊集院静『ぼくのボールが君に届けば』/「私」になるための決意(沢木耕太郎『あなたがいる場所』)/まっとうに生きるとはどういうことなのか(ヒキタクニオ『角』)‥‥ 5 忌野中毒(忌野清志郎『忌野旅日記』)/私たちの知らない世界(大竹伸朗『カスバの男 モロッコ旅日記』)/ああなんて、楽なのだろう(酒井順子『29歳(ニジュク)と30歳(サンジュウ)のあいだには』)‥‥
内容説明
本は、開くとき、読んでいるときばかりではなく、選んでいるときからもう、しあわせをくれるのだ。まるで旅みたい。読書という幸福な時間をたっぷりつめこんだエッセイ集。
目次
1(冬の光―宮沢賢治の童話;なんて明るい小説なんだろう―太宰治『斜陽』 ほか)
2(食べることの壮絶―開高健『最後の晩餐』;問い続ける、書きつづける―開高健『戦場の博物誌開高健短篇集』 ほか)
3(意地の悪い本?―江國香織 絵・荒井良二『ぼくの小鳥ちゃん』;人と人がつくる「迷路」―江國香織『金米糖の降るところ』/山田太一『読んでいない絵本』 ほか)
4(一九八〇年代の青春―吉田修一『横道世之介』/都築響一『バブルの肖像』;騙される側の爽快な復讐物語―吉田修一『平成猿蟹合戦図』/長友啓典『死なない練習』 ほか)
5(忌野中毒―忌野清志郎『忌野旅日記』;安心しろ。君はまだ大丈夫だ。―忌野清志郎『瀕死の双六問屋』 ほか)
著者等紹介
角田光代[カクタミツヨ]
1967年生まれ。90年「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞を受賞してデビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で野間文芸新人賞、2003年『空中庭園』で婦人公論文芸賞、05年『対岸の彼女』で直木賞、06年「ロック母」で川端康成文学賞、07年『八日目の蝉』で中央公論文芸賞、11年『ツリーハウス』で伊藤整文学賞、12年『紙の月』で柴田錬三郎賞、『かなたの子』で泉鏡花文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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