楽都ウィーンの光と陰―比類なきオーケストラのたどった道

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  • サイズ A5判/ページ数 263p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784093882378
  • NDC分類 764.3
  • Cコード C0095

出版社内容情報

クラシックファン必読のウィーン音楽文化史

毎年、元旦夜(日本時間)のニューイヤー・コンサート中継で知られるウィーン・フィル。2012年も世界約70のテレビ局で視聴され、知名度、人気とも世界一といって過言ではない。その黄金の響きを生み出した歴史的背景をたどると、単なるオーケストラの成り立ちだけではなく、ウィーンという街の表と裏の文化史が浮き彫りとなってくる。
2010年より2年間にわたり刊行され人気を博したCDつきマガジン『ウィーン・フィル魅惑の名曲』の巻頭連載エッセイ「ウィーン・フィルをめぐる断章」に加筆し、一冊にまとめたのが本書である。気鋭の音楽学者である著者が、リング(旧市街地の環状道路)をウィーン・フィルの本拠地である楽友協会からスタートし、ウィーンの街を巡回散策するかのように語りつくす。ハプスブルク帝国文化の滅亡、ナチス党員がベルリン・フィルより多かったという事実・・・暗部にも着目したユニークな音楽都市文化論の誕生だ。
貴重な写真や地図、年表なども収録し、資料性も高い貴重な一冊。トルテで知られるホテル・ザッハーや映画『第三の男』などの秘められたストーリーも紹介され、知的旅行エッセイとしても読み応え十分である。



【編集担当からのおすすめ情報】
日本人の誰もが耳にしたことのある軽やかなウィンナ・ワルツ、TV越しでもキラキラ眩いばかりの黄金のホール。ウィーンに行ったことがある人にもない人にも、クラシック音楽ファンにもそうでない人にも、「なぜウィーン・フィルはあれほどにも特別な存在なのか」が、謎解きのようにわかっていただける秀逸な一冊です。ザッハー・トルテで知られるホテル・ザッハー、映画『会議は踊る』『第三の男』の舞台裏話など、ウィーンを身近に感じるエピソードも満載です。

目次
一章:カフェ・シュヴァルツェンベルクからの眺め
 
二章:リングの表玄関を歩く
 
三章:ふたつのホテル
 
四章:楽友協会ホール誕生
 
五章:第二のホール、コンツェルトハウス
 
六章:スター指揮者、マーラー登場
 
七章:ウィーン・フィルはいつできたのか
 
八章:第一次世界大戦の衝撃
 
九章:転落のワルツ
 
十章:ハプスブルク帝国の破片

十一章:名コンサートマスター、ロゼーの悲劇

十二章:映画『第三の男』とウィーンの下水道

十三章:シェーンベルクの生地、プラーター

十四章:ドナウ運河のあちらとこちら

内容説明

世界一のオーケストラ、ウィーン・フィルのすべて。気鋭の音楽学者が描く、黄金の音楽史エッセイ。

目次

カフェ・シュヴァルツェンベルクからの眺め
リングの表玄関を歩く
ふたつのホテル
楽友協会ホール誕生
第二のホール、コンツェルトハウス
スター指揮者、マーラー登場
ウィーン・フィルはいつできたのか
第一次世界大戦の衝撃
転落のワルツ
ハプスブルク帝国の破片
名コンサートマスター、ロゼの悲劇
映画『第三の男』とウィーンの下水道
シェーンベルクの生地、プラーター
ドナウ運河のあちらとこちら

著者等紹介

岡田暁生[オカダアケオ]
音楽学者。京都大学人文科学研究所准教授、文学博士。1960年京都生まれ。大阪大学大学院博士課程単位取得満期退学、大阪大学文学部助手、神戸大学発達科学部助教授を経て、現職。『オペラの運命』(中公新書・2001年度サントリー学芸賞受賞)、『ピアニストになりたい!』(春秋社・2008年度芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞)、『音楽の聴き方』(中公新書・2009年第19回吉田秀和賞受賞)ほか、著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kumoi

2
ハプスブルク帝国は広大な領土を持ち、ウィーンには東欧から数多くの才能が集まった。異邦人のシェーンベルクやフロイトがウィーン文化を支えていたのである。しかし、上流階級の人々は才能のある異邦人を完全に受け入れることはなかった。むしろ、彼らをつまはじきにすることで、自らの品位を守っていたのだ。高級なものを良しとする雰囲気は、大衆文化や前衛的な価値観を育む。シェーンベルクの十二音技法も伝統と俗物の間から生まれたのであろう。街の雰囲気と住民のアイデンティティは、相互に影響しあい、独特の地域性を作り上げていく。2022/03/08

まどれーぬ

2
学校で借りたものの時間がなくて途中で返却。3月にウィーンに行って来たばかりなので、ここ分かる!というところが多くて面白かったです。この本を読んでから訪れるとまた違うウィーンの魅力を楽しめそう。 また再読したいです。2018/05/06

とす

2
ウィーンの街案内かと思いきや、思ったより濃い内容の本でした。歌劇場があるあたりからウィーンの街を時計回りに巡っていきます。心に残ったのはウィーンにおけるユダヤ人の迫害。マーラーやロゼー?というすごい演奏家にはユダヤ系が多かったが、世界大戦の頃にみな迫害されてしまったという。音楽の都ウィーンでも、ユダヤ系音楽家を守れなかったのかと考えるとなんだか苦しい気持ちになりました。2015/05/17

ほしぎつね

1
ウィーンフィルと音楽の都ウィーンの辿ってきた歴史を振り返りながら、その様々な特徴が述べられていて面白い。ただ、あとがきによればこの本は連載をまとめて加筆・修正したものとのこと。やはりそのせいか、どうも全体的に視点や焦点が定まらず、岡田暁生の著書にしては物足りなさが残ってしまった。個人的には、第一次世界大戦の前後におけるウィーンの変化が興味深かった。2012/08/19

とみしん tomisin555

0
19世紀に始まるウィーン・フィルの歴史を、ウィーンそのものの歴史に重ね合わせて書き記されている。僕は最近もウィーン本何冊か読んでいて興味の大きな街なので図書館の棚で見つけて借りてきた。でも正直「ウィーンの光と陰」と言う割には、光の部分も陰の部分も突っ込みが甘くてあまり面白くなかった。表層的な出来事をなぞったという感が強い。本は買っても借りてもあまり失敗しないんだけどたまにはこんなこともある。それと装丁がデザイン的にも機能的にも今ひとつだった。2019/07/10

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