真の文明は人を殺さず―田中正造の言葉に学ぶ明日の日本

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  • サイズ B6判/ページ数 187p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784093882088
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0095

出版社内容情報

今こそ、明日への指針に田中正造の言葉を

東日本大震災と原発事故を受けて、今、日本社会では、文明観の転換の必要性がさまざまに議論されている。これまでのような効率(経済合理性)と便利さ・快適さを追求する文明のありようを根本から変革することなしに、今後の日本はありえないだろう。この問題を考えるときに必要なのは、先人の思想に学ぶことである。とりわけ、今から約100年前に田中正造が主張した「真の文明」論が、非常に参考になる。
「真の文明は山を荒さず 川を荒さず 村を破らず 人を殺さざるべし」
田中正造がおよそ100年前に記したことばであるが、明治以来私たちが追求し、謳歌してきた近代文明とは、自然をコントロールできると考えてきた「文明」であったが、今こそ謙虚に、近代文明そのものに対する痛烈な批判を含んだ田中正造の思想に耳を傾け、自らに生き方をもういちど問うことで、あらたな生き方が見いだせるのではないか、そして、その道筋を見つけ出す助けになればというのが本書の狙いでもある。「真の文明」について考え続けた田中の思想の軌跡をたどっていく本書を読むことで現実に向き合って生きるための準備となるだろう。

小松 裕[コマツ ヒロシ]
著・文・その他

目次

第1章 田中正造の生涯
第2章 生き方に学ぶ
第3章 鉱毒問題に学ぶ
第4章 政治思想に学ぶ
第5章 「谷中学」に学ぶ
第6章 自然との共生に学ぶ
第7章 公共思想に学ぶ

著者等紹介

小松裕[コマツヒロシ]
1954年山形県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(文学)。現在、熊本大学教授。専攻は日本近代思想史。田中正造と足尾銅山鉱毒事件の研究に30年以上取り組み、田中正造の思想を軸に日本近代思想の可能性を追求している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ジュン

1
「真の文明は山を荒さず 川を荒さず 村を破らず 人を殺さざるべし」 今から100年前の田中正造の言葉。なんだか原発ともつながる。 田中の素朴な天皇崇拝の背景には、天皇が森や田、水の神があった。しかし、なぜ田中正造は天皇崇拝からキリスト教に行かざるをえなかったのか?近代天皇制は土地に根ざす人々に残忍だったのだろう。山や田を救うべき存在の目にうつらなかったのだ。 田中の一本気な正義感に憧れる。このように生きたいと。2016/01/20

たぬきのしっぽ

0
近代文明と全面的に向き合った思想家として田中正造を紹介する本。全面的とは、彼が足尾鉱毒問題を、まずはガチガチの権利論で考えるが、命の問題であることに気づき、さらに被害者民衆に学ぶことで近代知を乗り越え(谷中学)、そして、最終的には自然との共生という次元にまで到達するからだ(真の文明論)。天皇に直訴した社会運動家というイメージだけだったので、思想の奥行の広さに驚かされた。特に谷中学は感動的で、「聞くと聞かせるの違い」など印象的だ。ただ、惜しむらくは趣味の悪い装丁と読みにくい字体、必要なところにルビがない点。2013/05/21

ひかりパパ

0
原発事故と足尾銅山鉱毒事件との共通性について考える。人の命を犠牲にした文明は、誤りなんだ。2011/12/02

愛希穂

0
お薦め! http://glorytogod.blog136.fc2.com/blog-entry-976.html 「真の文明は山を荒さず 川を荒さず 村を破らず 人を殺さざるべし」 約100年前の田中正造の言葉。 文明や政治について、田中正造が残した言葉をひもときながら、3・11後の日本の在り方について、示唆を与えている。 今、田中正造の言葉を読んでも、いかに現代にも通用…(ブクレコからインポート、全文はコメントに掲載されています)2011/10/02

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