出版社内容情報
笑って生きた、ある夫婦のがん闘病ブログ
長年の友人関係にあったふたりは、2009年3月に入籍。川崎に新居を構えた。そして1か月後の4月に妊娠が発覚。どこにでもあるような新婚生活を過ごしていた。
ところが、体調不良を訴え続ける妻が検査を受けた同年9月、腸に悪性の腫瘍があると、告げられる。リンパ節の転移もあり、第3期だった。そして妊娠9月目で、帝王切開で長男を1481グラムで出産。
その後、妻の病状は、徐々に悪化し、抗がん剤治療などの副作用に苦しみ、実家の福島県いわき市に戻る。友人たちのサプライズパーティーなどもあったが、2010年7月に38年の生を閉じた--。
通常、闘病を綴った内容のものは、どうしても「生き死に」の問題が絡んでくるため、ある一定の悲壮感に包まれてしまうものになると思われますが、この本からは、その伸びやかな人柄があらわれているのか、患者でもあるが多くの友人にも囲まれ、最期までマイペースで自分らしさを失わず、きちんと生をまっとうしたひとりの女性の有り様が、読む者の心に浮かんできます。
名もなきある主婦の最期を、刻々と移り変わる状況のなかで夫が描き取った「10か月の生の記録」を単行本として加筆、改稿し、一冊の本にまとまたものです。
内容説明
出産直前、妻にがんが発覚したあるフーフの闘病ドキュメント。
目次
第1章 はじまり
第2章 闘病宣言
第3章 わさわさする家族
第4章 夢の日々
第5章 生きる場所
第6章 それから
それからのそれから
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nyaoko
55
映画化になって、そう言えば映画を見る前にちゃんと最後まで読もうと思って。ずっと友達だった二人が、ずっと一緒にいたいと思って勢いそのままに結婚。子供が出来て、家族になって、当たり前の幸せが続くと思っていた矢先、ヨメにガンが見つかる。動揺を抑えてヨメを支えるダンナ。務めて明るく、冷静に、前向きに語るブログ。奥様が亡くなられた後、ボロボロになってしまうダンナの手記を読むのが辛かった。その後地元に帰郷されたとの事。奥様の忘れ形見のぺ~君と共に元気で暮らして居てほしいと願うばかり。2016/11/28
美登利
30
闘病記コーナーで手に取った一冊ですが、著者さんも書いてあるように闘病記らしからぬ本です。それはやはりブログを纏めたものだからだと思うのですが、それだけに毎日がとてもリアルです。ドラマ化もされたのですね。ご夫婦二人の掛け合いが楽しくてだからこそ、ヨメさんを亡くしたあとのダンナさんの状態がよく理解できます。定期的な健診はやはり大事だなあと早期発見の為にとても大切です。2013/11/16
りずみぃ
24
夫から妻へのラブストーリー。多摩川の西から愛を叫ぶ。2018/08/29
扉のこちら側
22
初読。少しずつ大切に読んだ。結婚からすぐに妊娠と大腸ガンも発覚。帝王切開での出産から闘病へ。9ヶ月の子を遺して逝った彼女の想い。よい夫、家族、友人に恵まれた人。震災前のいわき小名浜でのサプライズ結婚式。夫さんとぺーくんのこれからに、どうか、幸いあれ。2012/12/25
yuki@おぐ
19
【図書館】ブログを一冊にまとめた作品。闘病記は初めてだし、ブログをまとめた形式も初めて。中身は軽そうでいてガンなんだから当たり前なんだけど重い。ガンになった妻の様子や自分の思いをこうやって文章につづる事で整理をつけていったんだろうと思うし、それはそれで病気と向き合うパワーになったような気がする。ぺ~ちゃんへの手紙は、ちょっと自分的には・・・なんだけど、自分でもこう書くだろうなぁとか思ったりして。色々考えさせる所が随所にあり、やはりそこは経験しないと思いが至らないなと思う。読んで良かったと思う作品。2015/12/17
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