内容説明
ジャズ・ピアニストを目指す青年は、夜の銀座でオトコになった。笑えて泣けてじいんと滲みる、80年代銀座青春放浪記。
目次
1 天空で待っていた奈落(なぜジャズピアノなのか;ピアニスト達;ジミー・ヤンシー:または音楽と活字の関係 ほか)
2 バブルの銀座―非常階段からの情景(銀座:華の街へ;銀座:大人への儀式;二人のバンマス ほか)
3 エクソダス(西荻窪の居酒屋;アプリケーションフォーム;英会話、またそれに付随すること ほか)
著者等紹介
南博[ミナミヒロシ]
ジャズ・ピアニスト。1960年5月15日東京生まれ。東京音楽大学、バークリー音楽大学卒業。南博トリオ、Go There!を主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tom
19
読友さんのコメントで借りて来る。時はバブル。ガキの頃からピアノを弾き、音高に進学。ベートーヴェンなんぞを弾いていたのに、ひょんなことからジャズに魅入られる。音楽教師からアホにされる。音高を落ちこぼれ、大学もまた同じ。ジャズをやりながらバイトで食いつなぎ、銀座の高級バーに誘われた。月額40万円を稼ぐ。でも満たされない。誰も聞かないピアノ弾きは辛い。そうしてバークレイ音楽院に脱出。楽しんで読む。そして登録する段で再読本と知る。続巻も読んでいた。10年前の読書とはいえ、これはかなりひどい(笑)。銀座の夜の物語。2023/12/08
北風
10
ジャズの小説を探していたのだが、とりまエッセイで。しかし、これは面白かった。ちょっとヤクザが入ってるのは、夜の銀座が舞台だったからか。それに染まるまいとしていながら、いざとなると裏の顔が出てしまうという。音楽青年の立身出世という話の流れだったので、どうなることかと思ったが、そこは意志が強かったのだろう。音楽をやりたい気持ちが強くてよかった。自分では才能がないと思っているようだけれど、周囲の大人たちは彼の才能を見抜いていたんじゃないのかな? 無事に留学したが、果たして本当に音楽に身を捧げられたのだろーか?2023/07/27
ながのゆうこ
6
社会心理の先生はピアノも弾くのかと思って手に取りましたが同姓同名、人違いでした。クラシック一筋だった作者がジャズに目覚めジャズピアニストになるため、キャバレーやクラブや新宿のピットインで修行を積む日々が描かれていてバブル華やかなりし頃の銀座がでてきます。表現者として共通するものがあるのでしょうか、エッセイもとてもお上手で楽しく読めました。2016/05/02
tom
6
この本は、とてもよろしい本です。音高の卒業試験ででワルトシュタインを弾いて失敗した少年がジャズに向かってひた走る。その彼が、途中下車して銀座のピアノ弾きになってしまった。そして、さんざん苦労しながら金を蓄えて、アメリカに旅立つという話。ほんとうは大変だったのだろうけれど、そんな苦労を感じさせない語り口。今の時代にクラシックをやってるお兄さんお姉さんたち(ちょっとだけ、付き合いがあるのです)も同じ苦労をしてると思うのだけど、彼らも、この本を読めば励まされるかもしれない。南さんのジャズ、聞いてみたい。2014/10/10
いちⅡ
4
映画。池松壮亮主演。彼の出演作はあたりばかり。今回も面白かったです。舞台のような作り。ジャズ音楽家の苦悩と葛藤が伝わってきた。どうしても音楽から離れることの出来なさは私なんぞでは到底及ばない想いなのだろうけど、吹奏楽で感じたあの高揚感は今でも思いだす。
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