出版社内容情報
男の生きざまを江戸情緒豊かに描く感動物語
老舗の紙問屋の跡取りとして生まれた達造。しかし、祖父、父が相次いで病死。婿に入った継父とは不和。弟妹が生まれ、居場所を失う。子守奉公のおたえとの交流だけが、心の支え。だが、やはり家に居づらく出奔。庶民からは「犬」と疎まれる目明しの下っ引きになるが、持って生まれた真摯さはなくしていない。事件が起こる。仲間の下っ引きが殺されたのだ。犯人を追ううち、実家が火付け盗賊に遭い、一家は惨殺、家は焼失の憂き目に。女中のおたえだけが生き残る。非運にもめげず、闇に潜む悪を追う達造だが…。 裏長屋の住民たちの人情や、下層に生きる仲間たちとの交流を通して、大きく成長していく一人の男の半生を描く、感動の時代小説。前作『しずり雪』の続編とも言える物語。 他、短編「福良雀」を収録。
内容説明
老舗の紙問屋の跡取りとして生まれながら、継父との不和から家出。目明しの下っ引きとなった達造。実家とは、子守奉公のおたえとの交流だけが細いつながりだ。仲間の下っ引きが殺されたことから事件は拡大。闇に潜む悪を追う達造だが、魔の手は、達造の実家にも及ぶ…。江戸の底辺で生きる市井の人々の哀歓や情緒を、情感あふれる文体で描いた、清新で心あたたまる人情時代小説。
著者等紹介
安住洋子[アズミヨウコ]
1958年兵庫県尼崎市に生まれる。3歳で父親の転勤に伴い大阪府牧方市に転居。大阪信愛女学院高等学校から同短期大学に進み、卒業後、学習塾で国語科教材作成に携わる。1999年第3回長塚節文学賞短編小説部門大賞受賞。2004年3月短編集「しずり雪」(小学館刊)でデビュー。サンフランシスコ在住
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