出版社内容情報
忘れかけた愛、消えそうな恋、成熟恋愛小説
出逢えたかもしれない、しかし現実には出逢えなかった「恋人」たちへ送る「大人の恋愛小説」。物語の主人公たちはいずれも人生の道理をわきまえてしまった成熟の世代。満たされぬ思い、退屈な日常を抱えながら、やむにやまれぬ愛の可能性に賭けていく。『ハルビン・カフェ』で大藪春彦賞を受賞した気鋭の小説家・打海文三氏、これまでミステリーのジャンルで認知されてきたが、実はその丹精な文章といい丁寧な人物造形といい、ミステリーの枠を飛び超えた妖しい魅力を放つ書き手のひとりである。本書では書き下ろしも含め、「恋愛」をテーマにした作品を収録し、打海氏の新たな側面をクローズアップしている。収録作品は標題作他全8編、行間に思いが湧き立つ珠玉の物語。
内容説明
大人の恋愛小説。出逢えたかもしれない、しかし現実には出逢えなかった「恋人」たちへ。
著者等紹介
打海文三[ウチウミブンゾウ]
1948年、東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。30代半ばまで映画の仕事に携わる。92年『灰姫 鏡の国のスパイ』で横溝正史賞優秀作を受賞しデビュー。著書は他に大藪春彦賞受賞の『ハルビン・カフェ』をはじめ、『そこに薔薇があった』、『愛と悔恨のカーニバル』、『ピリオド』、『ロビンソンの家』など
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感想・レビュー
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チェス
4
私には今ひとつ、、、図書館本2020/12/15
リーマン予想
2
打海文三の著書初めて読みました。柔らかく,心を優しく潤していくような文体で紡がれる男と女の物語。恥ずかしながら泣けます。物語の中にも登場する「Rの家」が読みたいですね。2013/11/03
とよちゃん
2
打海文三さんいいですよね。男女の会話がカッコイイんです。けっして月9系のカッコよさではなく、自分自身を疑っていないカッコよさなんです。風景の描写もパン、パン、パンと読者の目の前に浮かび、アジアの匂いが漂います。また、「Rの家」の話、こういう絡みかたもあるんですね。だんだん、読んでない作品が減ってきましたが、次は「ハルビン・カフェ」を読もうかな。2013/04/13
ぐりにゃる
2
作家買いした本。内容もそうだけれど、よくこんな筆致で書けるよなあと感心する。氏の作品は芯の強い人間を描かれることが多いが、それに輪をかけて女性が強いのがこの作家の特長だと思う…強すぎて異次元にすら思うけれども。本当にこんな女性がいるのか。そういうところも含めて不思議な世界観浸れるのがこの作家のいいところ。2012/09/14
ゆう
2
表題作、良かった。Rの家を読み終えたばかりなので「ここから遠く離れて」には震撼。ああ、打海文三はいいなぁ。繊細系の極みだなぁ。2011/02/23