出版社内容情報
連合赤軍事件で無期懲役受刑者として服役中の吉野雅邦との長い交友関係を結ぶ著者が、1972年あの惨劇に至る過程を当事者のヒアリングと極秘検察資料をもとに「連赤事件」の全体像に迫る衝撃のノンフィクションである
１９７２年、あさま山荘乱射事件後に発覚した、連合赤軍による14名の同志殺害。その惨劇がどのような組織のメカニズムで起きたのか？ 事件の闇をたどっていくと、後のオウム真理教事件、少年Ａ事件と通底する、日本人の特殊な心性にもいきつく。 事件から31年、吉野雅邦（現在無期懲役受刑者として服役中）の歩みを中心に、当事者のヒアリングと極秘検察資料をもとにフィールドワークの手法を駆使して「連合赤軍事件の全体像」に初めて迫るノンフィクションであり、現代史の深層を掘りおこす「記録文学」でもある。
内容説明
銃撃戦の裏に閉ざされていた人間の葛藤がいま明らかに。事件関係者の新証言で綴る渾身のドキュメント。
目次
第１部 あさま山荘の十日間
第２部 あさま山荘銃撃戦の深層（事件の光景；少年の日；全共闘運動激化；羽田空港突入；真岡猟銃強奪 ほか）
著者等紹介
大泉康雄［オオイズミヤスオ］
１９４８年東京生まれ。中央大学法学部卒業後、「小学館」入社。『週刊女性セブン』編集部を経て『プチセブン』編集長、『週刊女性セブン』編集長を歴任
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感想・レビュー
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おかむら
37
著者はあさま山荘事件の犯人の一人吉野雅邦(無期懲役)の幼なじみ。親友という立場で書かれた連合赤軍事件の詳細って点が独特。あさまに至る山岳ベースのリンチ殺人の経緯が読み応えあり。吉野との書簡だけでなく複数の事件当事者の手記やらインタビューやら多角的に取り入れてるので情緒に流れずに読ませる。普通の学生(ややピュア？)が過激な活動にのめり込んでいく様が怖いし哀れ。600Ｐ超えな上内容もヘビーですがだからこそ友情を感じさせるものが。力作です！2017/08/29
テツ
16
ボンボンどもが革命だの正義だのを大義名分にして自分の破壊衝動を満たしたかったりゴミみたいなアイデンティティの拠り所としたかったりで成立した学生運動とかいうアホのカーニバル。僕が生まれる遥か前の話なので記録としてしか知りませんが連合赤軍がやらかしたあさま山荘の立て篭もりがクライマックスだったのかな。犯人の友人が書いたその事件や周囲についての文章だけれど、鼻毛の先程も共感しないから凄いと思う。この世で一二を争うくらいに嫌いな方達についての本を読むとイライラが止まらない。ひっぱたけこんな思い上がったクソガキは。2018/02/19
くるた
4
あさま山荘事件と同志リンチ殺人について、これまでに何冊か読みました。①犯人側の人間が出した本や書簡集、②警察側からみた事件の経緯、③第三者が整理考察したものの３つに大別できるのですが、こちらの本は著者の方が犯人吉野の幼馴染で尚且つプロの記者ということで特殊なケースだと思います。かなり読み応えがありました。吉野本人は今の所本など出していないようですが、出たら是非読んでみたい。今も服役中なんですね。生きているうちに、吉野なりの総括というものを文章にまとめて欲しいと思いました。2016/08/15
たれっくま
1
労働の辛さをロクに知りもしない学生の分際で、なーにが日本に革命を！だ。と、思ったものの、世界の近代史を眺めてみれば、学生が社会変革の起動力になった例もあるから一概に否定は出来ない。ただし日本の場合、なあなあで社会が成り立ってきた土壌があるからか、議論の仕方そのものが未成熟で結果的に潰し合いとなってしまったのだろう。にしてもさー、今で言う『厨二病』のなれの果てって感じで、実際大勢の人を殺しまくっておきながら、どこか他人事で甘ったれた犯人達の様子が大変胸糞悪うございました。2012/02/25
bassai718
0
あさま山荘事件及び山岳ベース事件の主犯の一人、吉野雅邦の証言が詳しく載っている。この人をはじめ根っからの悪人ではないと思われる人々が何故あのような凄惨なリンチに加担していったのか？自分なりの納得感はまだ得られていない。2018/06/08
