出版社内容情報
新しい発想の「本の雑誌」として『ダ・ヴィンチ』を創刊した長薗安浩氏。その長薗氏が、昨年6月、それまでの職を辞し、執筆に1年間をかけ完成させたのが本作品。「老い」というテーマに正面から挑んだ本格派小説です。
主人公は広告業界に身を置く42歳の男性。彼は仕事で知り合った17歳の人気少女モデルに導かれるまま、彼女の祖父でもある78歳の老詩人と出会う。老詩人は少女と同じマンションの別室に住んでおり、引きこもった生活を送っている。少女への性的興味に引きずられるまま、主人公は、すでにボケも始まっている老詩人の不思議な存在感と辛辣な発言にひかれ、彼のリハビリに協力することになる。老詩人がかつて住んでいた九州の炭鉱町を再訪するため、まず歩くことからトレーニングを始める老詩人と主人公、そしてそれを見守る少女。しかしそれは老詩人のある企みへの序奏に過ぎなかったのである。老詩人は、主人公と少女とのトレーニングのあとで、「祝福」の瞬間を迎える。
内容説明
４２歳、ＣＭディレクター。１７歳、人気少女モデル。７８歳、斑ボケ老詩人。そして、彼らの「祝福のトレーニング」が始まった。『ダ・ヴィンチ』創刊編集長・長薗安浩氏、初めての書き下ろし長編小説。
著者等紹介
長薗安浩［ナガゾノヤスヒロ］
１９６０年、長崎県生まれ。南山大学卒。『就職ジャーナル』編集長を経て、雑誌『ダ・ヴィンチ』を創刊。その独創的な発想は各界の注目を浴びる
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