出版社内容情報
現代人の病ともいうべき「関係性の喪失」を癒すものとして、物語に注目したい。物語は「つなぐ」はたらきをするからである。本書では、あくまで現代の目で日本の王朝物語を読み、自分の物語をつくる知恵を学ぶ。
近代科学は「物語」の価値を著しく低下させた。しかし人間が生きていくには、それぞれの「物語」が必要である。「物語」は過去と結びつき、土地と結びつき、人間相互の結びつきを強め、各人の全体的な統合を保つ役割を果たしている。そして時には人間に「死」すら受け容れさせる力をもっている。 本書は、日本の王朝物語を現代の目で読むことによって、われわれが見失っている自分自身の「物語」をつくりあげていく知恵を学ぼうとするものである。『創造の世界』で連載したものに大幅加筆、修正したもので河合隼雄ファン待望の1冊といえる。
内容説明
古典に学ぶ生き方の知恵。現代人の病ともいうべき「関係性の喪失」を癒すものとして、物語に注目したい。物語は「つなぐ」はたらきをもっているから。本書では、あくまで現代の目で日本の王朝物語を読むことによって、自分自身の物語をつくりあげていく知恵を学びたい。
目次
第1章 なぜ物語か
第2章 消え去る美
第3章 殺人なき争い
第4章 音の不思議
第5章 継子の幸福
第6章 冗句・定句・畳句―『平中物語』の歌
第7章 物語におけるトポス
第8章 紫マンダラ試案
第9章 『浜松中納言物語』と『更級日記』の夢
第10章 物語を仕掛ける悪
著者等紹介
河合隼雄[カワイハヤオ]
1928年、兵庫県生まれ。京都大学理学部卒業。1959年、カリフォルニア大学留学。1965年、スイスのユング研究所より、日本人初のユング派精神分析家の資格を取得。京都大学教授、国際日本文化研究センター教授、同所長を経て、現在、京都大学名誉教授・京都文教大学顧問
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