出版社内容情報
恋、病、死別、失意、再び恋、結婚……と、女として一番華やかな時期に詠んだ素直な歌に写真や逸話を添え読みやすくした短歌集。ファンにとっても後の小説家、三浦綾子の源流を辿れる貴重な一冊。解説は山田洋次監督。
昨年10月12日に亡くなった作家、三浦綾子が結婚前後に詠んだ愛の短歌集。 敗戦後の混乱期、小学校教師を辞めた綾子は生きる道を模索していた。幼馴染みの前川正と再会、勧めでキリスト教に導かれ、また一方短歌を詠むようになり生きていく力が湧くが、綾子は脊椎カリエスで長期療養、恋人となった前川は肺結核で死亡、再び失意のどん底へ…。その後三浦光世氏と知り合い結婚した。 この歌集は、綾子の素直な恋愛歌集である。写真やエピソードを盛り込み、どなたにでも読みやすく、力強く優しい気持ちになれる一冊。また、三浦文学ファンにとっては後の小説家、三浦綾子の源流を辿れる価値ある一冊となろう。 解説は、著者と親しかった映画監督の山田洋次氏。
内容説明
ここにおさめられた短歌は、ひとりの誠実な女性の美しい愛のアリアである。
目次
第１章 前川正との恋
第２章 三浦光世への愛
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
おくちゃん👶柳緑花紅
68
第一章前川正との恋。妻の如く想ふと吾を抱きくれし君よ君よ還り来よ天の国より／唯一人の吾の唇を知りしのみ三十五歳にて君は逝きたり／かの日共に死にたるつもりにて吾が髪も君の遺骨の箱に納めぬ／第二章三浦光世への愛。まなざしも語る言葉も亡き君に似て三浦さんは清しく厳し／気がつけばこの第二章にも多くの亡き彼の歌がある。光世さんのプロポーズの言葉「前川さんのことを忘れてはいけません。私たちは前川さんによって結ばれたのですから」作家になる前の恋をして愛した、いとしい時間がつまっています。2014/11/22
toki12
1
相病みてこのまま果てつべし一度でも君に抱かれ臥したしと思ふ p122012/09/04
