出版社内容情報
惜しまれつつ逝った著者が、残り少ない時間との闘いの中で全力を傾けてついに編成した絶筆。芭蕉・蕪村から現代作家に至る古今の佳句250余句を、月ごとに鑑賞し味わい深く解説しました。
本企画は、月刊誌『NHK俳壇』に1996年?今秋まで2年間にわたって連載された「名句鑑賞」の単行本化で、取り上げる鑑賞作品は芭蕉・蕪村から現代の作家に至る250余りです。単行本化にあたり、1月?12月を月ごとの章立てとし、各章の扉には「季語と月名」のタイトルを付しました。 <四方の春 一月> <しら梅や 二月> <鳥雲に入る 三月> <花の雲 四月> <しやが咲いて 五月> <万緑や 六月> <花火待つ 七月> <炎天へ 八月> <良夜かな 九月> <ちちろ酒 十月> <菊日和 十一月> <除夜の妻 十二月>。 巻末に五十音順作者別作品索引が便利です。 この新刊は著者の絶筆となりました。連載終了後、単行本にまとめるべく2年間執筆連載された原稿に手を加えられ、あとがきをしたためられて間もなく、帰らぬひととなりました。 著者の希望もあって、各章の扉のイラストを著者のお孫さんの坪谷彩子さんの作品で飾りました。著者は病院のベッドでこのイラストの完成を待ちこがれて目を通され、GOサインを出されました。四十九日の法要には、生前著者と親しく交わった方々に、本著が手渡されました。ご冥福をお祈りいたします。
内容説明
名鑑賞でよみがえる古今の佳句250句。
目次
四方の春―一月
しら梅や―二月
鳥雲に入る―三月
花の雲―四月
しやが咲いて―五月
万緑の―六月
花火待つ―七月
炎天へ―八月
良夜かな―九月
ちちろ酒―十月
菊日和―十一月
除夜の妻―十二月
折々の句―句集の一句