あなただけに許す距離

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  • サイズ 46判/ページ数 224p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784093867979
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

満たされない恋と人生。珠玉の恋愛短篇集。

「きょう、いま、わたしは愛する人にやさしくされたいのだ」
満たされない恋とままならぬ人生を情感豊かに綴った、珠玉の恋愛短篇集。

はじめはただの推しだった。ファストフード店の飄々とした店員。非常識だけれど情緒はある男に、振り回されながらも、わたしは恋を愉しんでいる。愛されているかどうかってそんなに重要なんだろうか。自分が相手を好きかどうかよりも?(「パーソナルスペース-9.8cm」)

日菜は24年生きてきてはじめて知った。空白ができると好きと言いたくなること。セックス後の彼氏はセックス前の彼氏より百倍恰好よく見えること。なのに彼氏は言う。「俺の優先順位を、もう少し下げてくれない?」。なぜそんなことを言われなければならないのか。(「恋と厚顔」)

あのとき彼と結婚していたら、もっと違う現在があったのだろうか。「そんな結婚、変」。5年前はそうとしか思えなかった。ふっと、彼の香りが蘇る。あの不思議な二人はいま、幸せに暮らしているだろうか。(「卵とキウイ、あるいは跨線橋」)

【編集担当からのおすすめ情報】
『1ミリの後悔もない、はずがない』での鮮烈なデビュー、『彼女がそれも愛と呼ぶなら』の連続ドラマ化、『結論それなの、愛』の吉川英治文学新人賞候補入りなどで注目を集め続ける著者の恋愛小説集です。
渋谷、三鷹、羽田、恵比寿、吉祥寺――東京を舞台に、5つの短編で様々な男女の恋愛模様が描かれます。
満たされない恋や執着、思うように生きられない現状への葛藤。情感豊かに描かれる人間模様に、否応なく心が揺さぶられます。読者の心に深く刻まれること間違いなしの、珠玉の恋愛短編集です。


【目次】

谷底の蝶々
卵とキウイ、あるいは跨線橋
恋と厚顔
パーソナルスペース- 9.8cm
星

内容説明

あのとき彼と結婚していたら、もっと違う現在があったのだろうか。「そんな結婚、変」。五年前はそうとしか思えなかった。ふっと、彼の香りが蘇る。あの不思議な二人はいま、幸せに暮らしているだろうか。(「卵とキウイ、あるいは跨線橋」)。二十四年生きてきてはじめて知った。空白ができると好きと言いたくなること。セックス後の彼氏はセックス前の彼氏より百倍恰好よく見えること。なのに彼氏は言う。「俺の優先順位を、もう少し下げてくれない?」(「恋と厚顔」)。満たされない恋や執着、思うように生きられない現状への葛藤。心を揺さぶる、甘く切ないラブストーリー。珠玉の恋愛短篇集。

著者等紹介

一木けい[イチキケイ]
1979年、福岡県生まれ。2016年、「女による女のためのR‐18文学賞」読者賞を受賞。デビュー作の『1ミリの後悔もない、はずがない』がミュージシャンの椎名林檎に絶賛されるなど話題となる。2026年『結論それなの、愛』で吉川英治文学新人賞候補(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

さてさて

148
『ちょうどいい距離感。その言葉がずっと、頭のなかで旋回している』。そんな言葉に象徴される男と女の『距離感』が一つのテーマとして描かれたこの作品。相手に執着してしまう一方で、重すぎると感じられることもある。そんな男と女の『距離感』の違いに戸惑う主人公たち。まさしく「あなただけに許す距離」という書名の意味を感じさせる物語が紡がれていきます。5つの街が物語を象徴するように彩っていくこの作品。主人公たちの戸惑いが読者にも伝わってくるこの作品。5つの恋模様とそれぞれの『距離感』が色濃く描かれた素晴らしい作品でした。2026/08/26

いつでも母さん

146
私だけに許された距離もあった・・はず。あの頃は身体全部一方向しか向いてなくて、24時間アンテナ張ってた・・だから3話目『恋と厚顔』日菜の気持ちが痛いほど伝わる。同時に今だからしんどさも感じるのは私が老いたのだろうな(汗)本作も一木さんのタイトルに心が踊る。短編5話の登場人物がリンクするが影響はない。体温と息づかいが感じられるのは一木さんの真骨頂。金曜ドラマは未視聴だが、声の素敵なあの俳優さんがダブった2話目が印象に残る(笑)一話目も好みだった。それにしても男女の距離感は難しいよね。2026/09/15

ごみごみ

55
恋愛(特に初期)における高揚感、多幸感を思い出した。相手を思う気持ちが互いに平等で、それがずっと続くのが理想だけど、なかなかうまくいかないよね。ちょうどいい距離感も難しい。パーソナルスペースは人によってそれぞれ違うし、なんなら相手によっても変わる。共感出来る話ばかりじゃなかったのに、5話ともグサッと刺さる生々しさにやられた。でも読後は何故か清々しい。1話目『谷底の蝶々』と最終話『星』が好み。2026/09/08

美紀ちゃん

48
「谷底の蝶々」3年未読スルーしたけど返事が来て嬉しい。大切なお菓子を食べたのは新夫ではなく息子だった。息子なら許せるな。「卵とキウイ、あるいは跨線橋」柊介さんとの結婚は苦しいと思う。悩ましい。「恋と厚顔」冷静に話し合えない相手って。苦しいと思うけど、頑張ってる。凛太郎。「パーソナルスペース」怒りと相性がいいのは掃除と運動。9.8cmというのは、彼の中指の長さだった。「星」鉄の箱に閉じ込められているみたいな毎日を過ごしていた私にとって目に前に突然現れた輝く星。素敵な話だった。5作品どれも面白かった。2026/09/24

プリン

44
5話からなる短編集。其々の章に繋がりはないが登場人物が被っているところが面白い。帯に珠玉の恋愛集とあり色々な愛の形があった。「谷底の蝶々」心の寂しさを間違った形にしてはいけない。「卵とキウイ、…」婚活アプリで知り合った柊介との恋は三角関係ではなく三人関係。「恋と厚顔」過剰な束縛を愛と呼べるのか。「パーソナルスペース…」他人が入ってくると不快に感じるゾーン。これで愛の深さを測れるのか。「星」心のゆとりは自分磨きに繋がる。恋には互いの距離感が大切。ぴったりの題名と感じ楽しめました。2026/09/24

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