出版社内容情報
“地方創生の真実”を暴く!
大ベストセラー『震える牛』『ガラパゴス』に連なる樫山順子シリーズ最新刊!
北海道警から山梨県警に異動した樫山順子は、大規模農場開発に怪しい動きを嗅ぎつけた。地元政治家らの間で暗躍するのは、かつて規制緩和の名のもと経済を壊した男。中国の強欲投資家も加わった資本主義の魔手から、樫山は山岳の楽園を守れるか。
【目次】
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
197
相場 英雄は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。本書は、樫山順子シリーズ最新刊、地方創生社会派ミステリの佳作でした。日本にも、世界にも、楽園は存在しないと思います。古賀の残した負の遺産が、次作以降どう爆発するかが楽しみです。 https://www.shogakukan.co.jp/books/093867562025/08/18
いつでも母さん
138
おぉ、樫山順子だ!どれ、今回も頑張るよねと内心ワクワクしながら読み始めた。相場さん読ませるなぁ(もれる心の声)ずっと気になっている『地方創生』に名を借りた補助金の流れ・・今作は北甲州が舞台だが日本中どこの地方でもあり得る問題だと感じてる。政治や経済が絡み一握りの人間に踊らさせて、いつもそこに住む住民にしわ寄せが来るのをどれほど見聞きしてきたか。この国は誰のもの?と聞きたくなるよね。古賀という男の生き様に中てられて最後は池内頑張れとエールを送る。そして、樫山・・次のポストが気になるところだ。お薦めです。2025/07/31
しんたろー
136
相場さんの新作は『覇王の轍』の樫山と『不発弾』の古賀、二人を主軸に描く社会派サスペンス…山梨県を舞台に「地方創生」に纏わる陰謀を暴いてゆくストーリー。現在の日本を綺麗ごとなく描いていて興味深いし、実在の人物たちを揶揄しているので想像するのも楽しかった。過去作でも社会的な問題点をエンタメの形で提唱してきたが、本作も様々な事を考えさせられる力作で快作。加えて『Exit』の池内、『ナンバー』の小堀、『サドンデス』の理子など他作からのゲストも物語に効果的に登場していて、著者らしい心憎いファンサービスが嬉しかった。2025/09/03
nonpono
123
うなりました。無条件に面白かった。帯より「地方創生の真実を暴く!」と。わたしが住んでいる街もある時期にB級グルメで盛り上がったが。「世間では地方過疎化、人口減少を食い止めようと、あの手この手でテコ入れ作が発表されている。しかし、カネの匂いに敏感なコンサルトが地方自治体に食い込み、政府が支給される補助金を吸い上げ、結局は地方に回されたカネが東京に回帰している」という現状。おいしい話には裏があるのか。裏で笑っている誰かがいるのか。郵政解体、派遣業の飛躍、自分が見てきた世界線。この国の行く末に明るさはないのか。2025/10/15
タイ子
96
北海道警にいた樫山が今作は山梨県警の刑事部長に就任。国のお偉い方が地方にきて声高に演説する地方創生事業。全てが地方の為?否、多少の見返りを期待しながらではないのか。今作の樫山が捜査二課と協力しながら暴いていく日本社会の裏側。それが彼らの贈収賄の証拠集め。かつて日本の金融関係に大きな影響を及ぼした古賀という男。今ひっそりと甲州に居を構えていた。古賀は樫山にとって情報を与えてくれる存在になっていく。地方再生の名の陰にある巨大開発計画。利権を求める悪いヤツらは許すまじ。相場作品の根底にある構図を今回も楽しんだ。2025/10/12
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