出版社内容情報
人類はゆるりと滅亡に向かう?
人類滅亡の危機がやってくる――ただし百年後に。世界を駆け巡った衝撃ニュースだったが、「終末」を意識させるには、小惑星衝突までの猶予が長かった。人々のささやかな勇気が少しずつ重なり合い、世界に希望をともしていく奇跡の連作短編集!
――これを機に、人類は捨てたりしないのかな。
――なにを?
――種の存続っていう根源的な本能を。
ベストセラー『#真相をお話しします』著者にして、ミステリ界のエースががどうしても描きたかった、未来なき世界で“希望”を編む人々の物語。
【編集担当からのおすすめ情報】
日々流れる重大ニュースに、心が動かなくなったあなた。薄々気づいているのでしょう。この国は、いやこの星はけっこうヤバいってことに。温暖化にウイルス禍、差別と分断、そして戦争。すべてが対岸ではなく、地続きの世界で起こっていることをさすがに実感せざるをえません。でも、こうも思っているのではないですか。気づかないふりをしていれば、われわれ世代は逃げ切れる、と。
結城真一郎は、そんなあなたを見逃しません。
人類滅亡のトリガーをひく小惑星、その名はホープ。地球との衝突は、およそ100年後とされています。遠いけれど、遠すぎるわけではない未来。あなたならどうしますか?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
140
あの日、あの道を辿っていなかったら、変わり果てた街で独り彷徨っていたかもしれない。世界が滅亡に向かうなかで、生きる意味を考える六話を収録。小惑星が百年後に衝突し、皆の人生は終わる。そのとき人は意味のない人生を送るのだろうか。空を見上げれば思い出すだろう。目を瞑れば誰かの顔が浮かんでくるだろう。希望は何処か。どうせこの星はなくなる。無力感に襲われて時間を持て余す者もいる。かたや、限られた時間にしか存在できない人類のなかには、抗って走り続ける者もいる。地球がなぜここにあるのかわからないが、私たちはここにいる。2025/04/06
keroppi
58
100年後に小惑星が地球に衝突して世界は終わる。ん、100年後では生きていないよね。それでどうなる?しかも、その小惑星についた名前が「ホープ」。皮肉な名前。そこから始まる6つの話。未来がないけど、今は生きている。それは誰だってそうだ。いつか死ぬんだもん。この特異なシチュエーションを設定しながら、生きるって何という問いかけを投げかけてくるようだ。#NetGalleyJP2025/04/03
ゆのん
43
地球に隕石が衝突して全人類滅亡のニュースが流れたら私だったらどうなるだろうか。でもその時は100年後…。当然寿命を全うした後の出来事だ。そんな時を生きている老若男女の物語。独立した話だと思い読んでいたが、最終章で…。章が進む毎に時間も経過していく。無気力になる人や、自分は何故存在しているのか考え悩む人、前向きに何かを成し遂げようとする人など、それぞれの思いや行動を食い入るように読んでしまう。100年後自分は生きていないと思いながらもやはり何かしら影響はあるのだろう。悔いない様に生きるにはと考えさせられた。2025/02/15
Akko1454
2
ネットギャリーで読みました。感想はあとでコピーする2025/05/13
ぶんぶん
2
100年後に地球に衝突し人類を滅亡させる隕石ホープ。 この世界観の中で起きる色々な人の物語。 途中話がよく分からなくなるとこもあったけど最終賞で全てを回収していく。このへんは結城真一郎さんの真骨頂。2025/04/10