出版社内容情報
ヤクザ・ミーツ・キャット
コロナ禍で大学を中退した壮真は、金に困ってシェアハウスに移り住む。同居人は無愛想な女の子と四十すぎのフリーター。そこへ引っ越してきたのは30年の刑期を終えた元ヤクザの鳶伊だった。壮真と鳶伊は仔猫を拾ったのをきっかけに便利屋で一緒に働くが、壮真の友人が闇バイトに手を出し、住人たちに危機が迫る……。
昭和の極道が令和の半グレに戦いを挑む。
新しい家族を守るために――
【編集担当からのおすすめ情報】
ホラー&アウトロー小説の名手が放つ、刑務所暮らし30年からの生き直し小説です。小説の登場人物さながらコワモテ(!)の著者ですが、実際に、アメリカンショートヘアのやんちゃな猫を飼っているようです!
内容説明
昭和の極道が令和の半グレに戦いを挑む。新しい家族を守るために。コロナ禍で大学を中退した壮真は、金に困ってシェアハウスに移り住む。同居人は無愛想な女の子と四十すぎのフリーター。そこへ引っ越してきたのは30年の刑期を終えた元ヤクザの鳶伊だった。壮真と鳶伊は子猫を拾ったことをきっかけに便利屋で一緒に働くが、壮真の友人が闇バイトに手を出し、住人たちに危機が迫る…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hiace9000
145
図書館書架から一摘み。一匹のハチワレ猫と寺の階段に腰かける短髪白髪の老人が見つめ合う穏やかで柔らかな空気感の表装。だが…徐々に加速&加熱する展開からの頁繰る手に汗握る大活劇へ! 長い刑期明けの昔気質の昭和任侠極道と、昨今の闇バイトで暗躍する令和の半グレとの描き分けや、登場人物らの自然な口上に乗せて現代世相を巧みに活写。作品にとって絶妙の触媒となっているのが、保護猫マチルダの存在。一匹の猫との出会いが機縁となって壮真、澪央、そして鳶伊は自ら生き直しを想い始める。終末に心地よい余韻を与える書名への繋ぎも見事。2025/04/19
ゆみねこ
74
大学を中退しバイトで生活する壮真は、金に困ってシェアハウスで暮らすことに。そこにやって来た元ヤクザの鳶井。ハチワレ子猫のマチルダを拾ったことをキッカケに便利屋で働くことになった壮真だが、友人が闇バイトに手を出したことで、とんでもない窮地に。鳶井さんがめちゃくちゃ格好よく、この物語の結末はちょっと切ない。また便利屋で一緒に働ける日が来るなら良いな。2025/05/03
はにこ
74
侠飯の福澤さんらしい作品だなと思った。30年の刑期を終えて、シェアハウスにやってきた鳶伊。そこでやっかいな事案に巻き込まれる住人たち。相手が強敵でずっとピンチ。頼りの鳶伊は病魔に侵される。ずっとハラハラした。最後、どう落とし前つけるのか気になった。そこも見たかったな。猫は特に何をした訳でもないんだけど、まぁ、それが猫だからね。可愛かった。2025/04/19
ゆのん
53
30年服役し出所した元ヤクザ鳶伊。シェアハウスで生活する中で出会う様々な境遇の人達と一匹の猫・マチルダ。ホッコリ物語かと思いきや、コロナ禍や半グレ、薬物、闇バイトなどなどの社会の闇に巻き込まれる中正しく、普通に生きようとする人達を描いている。どう生きるか、何の為に生きているのか考えさせられる。徐々に危険ゾーンへと巻き込まれていく中でヒヤヒヤ、ハラハラさせられる。一度決めても紆余曲折するのが普通だが、鳶伊のブレない『矜持』。素晴らしいと思うと同時に切なく切なくてラストでは涙してしまう。2025/02/11
かんらんしゃ🎡
41
ほのぼのとしたタイトルに似つかわしくなくサスペンスフルな展開。半グレと経済カーストの下位にいる者たちの対決で最後までヒヤヒヤしたわ。罠はさりげなく身近にあって、貧困と上昇志向の強い心理を巧みに衝いてくる。こうして若者たちは闇バイトに誘われ堕ちていくんだな。マチルダは追い込まれた中で癒しになる猫。幸せって何かを教えてくれる。この人の本、初めて読んだけど人物像も世界もしっかり確立し納得の一冊でした。2025/05/14
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- 和書
- どうする家康 〈四〉