愚か者の石

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  • サイズ 46判/ページ数 352p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784093867214
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

生きることは、まだ許されている。

明治18年初夏、瀬戸内巽は国事犯として徒刑13年の判決を受け、北海道の樺戸集治監に収監された。同房の山本大二郎は、女の話や食い物の話など囚人の欲望を膨らませる、夢のような法螺ばかり吹く男だった。明治19年春、巽は硫黄採掘に従事するため相棒の大二郎とともに道東・標茶の釧路集治監へ移送されることになった。その道中で一行は四月の吹雪に遭遇する。生き延びたのは看守の中田、大二郎、巽の三人だけだった。無数の同胞を葬りながら続いた硫黄山での苦役は二年におよんだ。目を悪くしたこともあり、樺戸に戻ってきてから精彩を欠いていた大二郎は、明治22年1月末、収監されていた屏禁室の火事とともに、姿を消す。明治30年に仮放免となった巽は、大二郎の行方を、再会した看守の中田と探すことになる。山本大二郎は、かつて幼子二人を殺めていた。

「なあ兄さん。
石炭の山で泣いたら
黒い涙が出るのなら、
ここの硫黄の山で涙流したら、
黄色い涙が出るのかねえ」


【編集担当からのおすすめ情報】
直木賞受賞(『ともぐい』新潮社刊)後、第一作!

「地獄に光が差したとして、仮初めであってもお前はそれに手を伸ばすのか」
――河崎秋子

ブレイク作『絞め殺しの樹』に連なる、大河巨編!
河崎節が冴え渡る、圧巻の長編監獄小説!

内容説明

明治18年初夏、瀬戸内巽は国事犯として徒刑13年の判決を受け、北海道の樺戸集治監に収監された。同房の山本大二郎は、女の話や食い物の話など囚人の欲望を膨らませる、夢のような法螺ばかり吹く男だ。翌春、巽は硫黄採掘に従事するため大二郎とともに道東・標茶の釧路集治監へ移送される。二年におよぶ苦役で目を悪くした大二郎は、樺戸に帰還後の明治22年1月末、収監されていた屏禁室の火事とともに姿を消す。山本大二郎は、かつて幼子二人を殺めていた。「大二郎さんよ。そこまで言うなら聞かしてくれよ。あんたが今まで会った女の中で、いっちばん印象に残ってる根性悪な女ってのは誰だい」

著者等紹介

河〓秋子[カワサキアキコ]
1979年北海道別海町生まれ。2012年「東陬遺事」で第四六回北海道新聞文学賞(創作・評論部門)、14年『颶風の王』で三浦綾子文学賞、15年同作でJRA賞馬事文化賞、19年『肉弾』で第二一回大藪春彦賞、20年『土に贖う』で第三九回新田次郎文学賞を受賞。24年『ともぐい』で、第一七〇回直木三十五賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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starbro

287
河﨑 秋子、3作目です。著者の直木賞受賞第一作、北海道の監獄における群像劇、読み応えはありましたが、どうせなら復讐譚に方向を持って行って欲しかった。 https://dps.shogakukan.co.jp/orokamononoishi2024/07/05

パトラッシュ

269
山田風太郎『地の果ての獄』と同時期の樺戸集治監で展開する人間ドラマ。明治史の暗黒面を象徴する場所で青年看守の成長物語に仕立てた山田に対し、本作で描かれる受刑者や看守の愚かさや狂気、ほとんど動物と化した群像劇は『死の家の記録』に近い。そんな面々に囲まれた瀬戸内巽が家族や恋人に裏切られても絶望せず、生き抜こうとする強靭な意志が物語を支える。一方で希望なき現実に苛まれる看守の中田も、巽と同じほど感情を殺すことで正気を保とうとする。そんな2人が脱走者の探索で、初めて互いの真実を知るラストは地獄の底の美しさに輝く。2024/06/24

のぶ

195
「ともぐい」が熊文学なら、本作は監獄小説。暗くて重い雰囲気が全編に漂っているが、内容は充実していた。瀬戸内巽は活動家として逮捕され、北海道の樺戸集治監に送られる。そこで出会うのは同じ囚人の大二郎。大二郎は場を和やかにするほら吹きの名人で、水の入った石英を隠し持っていた。描かれるのはほとんど過酷な囚人としての暮らし。そんな生活を、感情をまったく見せることのない看守の中田が見つめている。この三人による歪な友情小説とも捉えられるような印象だ。出来は「ともぐい」にも劣らない。河﨑さんの勢いを示した小説。2024/06/13

fwhd8325

189
濃厚な物語でした。荒々しくも時に静寂を感じます。まるで台風のようです。後半は、深く深く、染みていくようでした。河﨑さんの作品の中でも秀逸だと思います。2024/09/05

モルク

180
明治18年大学生の巽は活動運動の末端であったが憲兵隊に捕まり国事犯として13年の刑を受け極寒の地北海道の集治監に入った。苦役の中同房の大二郎の嘘か本当かわからぬ話に和む。彼が執着した白い石、そして決して過去を語らぬ大二郎。しかし同志と思っていた彼はボヤに紛れて脱走。仮放免となった巽は看守中田と共に彼を追う。白い石の秘密と大二郎の過去に震えた。彼は石を光にかざし何を思ったのか。今回もとても骨太な作品。柿色の囚人服と白い雪と息が目に浮かぶ。重いが読んでよかったと思える作品だった。2024/08/17

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