出版社内容情報
「BUTTER」著者渾身の女子大河小説
大正最後の年。かの天璋院篤姫が名付け親だという一色乕児は、渡辺ゆりにプロポーズした。
彼女からの受諾の条件は、シスターフッドの契りを結ぶ河井道と3人で暮らす、という前代未聞のものだったーー。
内容説明
大正最後の年。かの天璋院篤姫が名付け親だという一色乕児は、渡辺ゆりにプロポーズした。彼女からの受諾の条件は、シスターフッドの契りを結ぶ河井道と3人で暮らす、という前代未聞のものだった―。明治、大正、昭和―。女子学校教育の黎明期。シスターフッドを結んだふたりの女性が世界を変える。
著者等紹介
柚木麻子[ユズキアサコ]
1981年東京都生まれ。立教大学卒業後、2008年にオール讀物新人賞を受賞。10年『終点のあの子』でデビュー。15年『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞受賞、16年同作で高校生直木賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
460
恵泉女学園の創立者、河井道の生涯を辿った評伝小説。恵泉女学園中学・高校の卒業生でもある柚木麻子が共感を込めて描く。恵泉女学園には関係のない読者(私ももちろんそうなのだが)の心にも強く響く。道の生涯は、恵泉と共にあったばかりではなく、明治から第二次大戦後にまで及ぶ女性解放の歴史を先陣切って歩んだものでもあ った。この評伝に登場する綺羅星のごとき女性たちがそれを証してもいる。津田梅子、大山捨松、広岡浅子、平塚らいてう、神近市子、山川菊栄から村岡花子、石井桃子にいたるまで実に錚々たる顔ぶれのオンパレードである。2025/07/11
starbro
448
柚木 麻子は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。明治・大正・昭和を駆け抜けた女性教育者 河井 道の大河小説、読み応えがありました。本書で河井 道を初めて知りました。著者が、恵泉女学園出身で、本書に登場する一色義子が恩師だとは思いませんでした。個人的には、本書の主人公よりも、本書にも登場する鹿鳴館の華、大山 捨松の方に興味があります。 https://shosetsu-maru.com/interviews/quilala_interview/asakoyuzuki_rantan2021/11/22
trazom
215
恵泉女学園の創業者である河井道と一色ゆりを主人公にした物語。広告に「女子大河小説」とあるが、日本の女子教育の歴史を見事に描いた充実感ある作品。道が大切にしたシェア(分け与える、分かち合う)の精神を象徴するタイトルもいい。次々と著名な人物が登場し、長さを感じさせない面白さ:新渡戸稲造、徳富蘆花、有島武郎、津田梅子、大山捨松、野口英世、広岡浅子、平塚らいてう、山川菊栄、神近市子、波多野秋子、林歌子、村岡花子、市川房枝、柳原白蓮、石井桃子、村井吉兵衛、加藤シヅエ、松村たね子、星野あい…。いい小説だと思う。2022/06/25
うっちー
192
現代史の教科書として読みました2022/04/18
のぶ
179
恵泉女学園を創設した河合道の生涯を中心に、女性の民権運動に尽力した多くの女性たちを描いた作品。河合道は明治10年に、代々伊勢神宮で神職を務める家に生まれる。しかし、父が明治維新で失職し、函館に移住する。そこでキリスト教に基づいた教育を受ける。教育に目覚めた道は、アメリカに留学し、教育者の道を歩んでいく事になる。本作では新渡戸稲造、津田梅子、市川房枝等、歴史に名を残した錚々たるメンバーとの交流も描かれている。大変な労作で、史実に忠実ではあるが、物語としての面白さが今一つ盛り上がりに欠けたのが残念だった。2021/11/16
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