口福のレシピ

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  • サイズ 46判/ページ数 288p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784093865869
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

料理は、作られなくなったら死んでしまう。

フリーのSE兼料理研究家として働く留希子の実家は、江戸時代から続く古い家柄で、老舗料理学校「品川料理学園」を経営している。大学こそ親の希望があって栄養学を専攻したが、幼い頃から後継者の道が決まっている雰囲気や、昔からの教則本を使う学園の方針への抵抗が留希子にはあった。卒業後は、製品開発会社にSEとして就職した。しかし、料理をすることは好きだった。SNSでの発信をきっかけに雑誌からも仕事の依頼が来るようになり、料理研究家としての認知度を上げていた。
忙しい女たちを助けたいと、留希子は令和元年になるゴールデンウィークに向けた簡単で美味しい献立レシピの企画を立ち上げた。しかし、あるレシピをめぐり、問題が起きる。留希子にとってはすっかり身についた我が家の味だったが、そこには品川家の大切な歴史が刻まれていた。
一方、昭和二年、品川料理教習所の台所では、女中奉公に来て半年のしずえが西洋野菜のセロリーと格闘していた。
料理学校の歴史をつなぐレシピを巡る、胃も心も温まる家族小説。


【編集担当からのおすすめ情報】
『三人屋』『ランチ酒』『まずはこれ食べて』――旬のおいしい小説作家が、家庭料理のレシピの歴史に挑む意欲作です。

内容説明

品川留希子は、幼い頃から後継者の道が決まっている雰囲気や、学園の方針への抵抗があり、大学卒業後は企業にSEとして就職した。でも、料理は好きだった。SNSでの発信をきっかけに、料理研究家として活動を始め、令和元年のゴールデンウィークに向けたレシピ企画を立ち上げる。一方、昭和二年。品川料理教習所の台所では、女中奉公に来て半年の山田しずえが、西洋野菜のセロリーと格闘していた―。心をほぐす“家庭料理”小説。

著者等紹介

原田ひ香[ハラダヒカ]
1970年神奈川県生まれ。2006年「リトルプリンセス二号」でNHK創作ラジオドラマ脚本懸賞公募の最優秀作受賞。07年「はじまらないティータイム」ですばる文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

403
原田 ひ香は、新作中心に読んでいる作家です。本書は、レシピ歴史家族小説の佳作でした。料理上手の女性と暮らしてみたい。毎日美味しい料理を食べられるのは、幸福なんでしょうね。 https://www.shosetsu-maru.com/node/2013 2020/09/10

ノンケ女医長

222
山田しずえは、17歳で女中になった。主人の期待に応え、素敵なレシピを完成させた。子どもを産んで欲しいと懇願され、拒否できなかった優しさ。実家の父親から「妾にやるために、学校へやったわけじゃねえ」と、拳固で殴られ絶縁。お腹を痛めて産んだ娘とは、何十年も対面できなかった。訪ねてきた孫夫婦を料理でもてなすが、二人はほとんど箸をつけない。それでも「会いに来てくれた」と、しずさんは嬉しそうに一人でご飯を食べている。「しずえは我が家の福の神だ」と言う主人が、妾家まで会いに来るのは年に数回。しずえは、本当に幸せなのか。2024/10/27

いつでも母さん

216
心をほぐす”家庭料理”小説とある。どれもこれも私の摂食中枢を刺激する。料理研究家・留希子と実家・老舗料理学校を経営する母と威厳ある祖母の確執が縦糸で、昭和2年に遡り『山田しずえ』と言う女性の生涯が緯糸の時代を超えた女性たちの物語。ラストに心熱くなる原田ひ香さんお見事。何気なく食してきた料理は古から連綿と、またその時々で人々の口に合うように変化して今日まで伝わっているのだなぁと、あらためて感じ満たされた思いで読了した。2020/09/11

モルク

182
昭和初期料理学校を営む家で奉公しているしずえと、令和の時代実家の料理学校の跡を継がず料理研究家となった留希子が交互に描かれる。この2つの話があるレシピで繋がり最後にはちょっとホロリとするあたたかい話となる。留希子が気づいた愛の新たな展開にも期待するし応援したい。以前はたいていの家にその家庭の味があった。母の得意料理を受け継いだり、どうしても越えられなかったり…でも最近は簡単な調味の素やレトルトも多く結構冷凍食品も侮れない。娘に伝授したくとも、COOK〇〇〇を見るからいいと拒まれる。母はちょっと寂しい。2021/08/15

のぶ

159
原田ひ香さんの本は数冊しか読んでいないが、いずれも料理をテーマにしたもの。物語は二つの部分からできている。令和の時代にフリーのSE兼料理研究家として働く品川留希子はSNSでの発信をきっかけに雑誌からも仕事の依頼が来るようになり、料理研究家としての認知度を上げていた。一方、昭和の初めに品川料理教習所に女中奉公に来ていたしずえは料理と格闘していた。SNSで反響を広げていく留希子の気持ちはよく伝わります。楽しいでしょう。しずえの健気さも応援したくなります。二つの話が出会った時、なんとも温かいものが伝わってきた。2020/09/17

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