ほどなく、お別れです それぞれの灯火

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  • サイズ 46判/ページ数 272p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784093865661
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

ロングセラー『ほどなく、お別れです』続編

清水美空は、スカイツリー付近の葬儀場「坂東会館」に勤めて1年目の新社会人。生まれる前に姉を事故で亡くしているが、その姉に見守られるように生きてきた美空は、他人の感情が伝わってきたり、思念を感じ取ったりと、“気”に敏感な体質をしている。
そんな美空の上司・漆原が担当するのは、故人が事故や自殺で亡くなってしまった、いわゆる訳ありの葬儀。ご遺族の悲しみも深く、いかに寄り添った葬儀ができるかが重要となるが、漆原に厳しく、時に優しく指導されながら、邁進する日々を送る。
雪も解けない寒い日が続いていたあるとき、美空は仕事帰りに立ち寄った商業ビルの中で、高校時代の友人・夏海と偶然再会する。久しぶりの再会を喜ぶ2人だが、美空が葬儀場で働いているのを聞いた夏海は、急に思いつめた表情で「遺体がなくても、お葬式ってできるの?」と問う。彼女の兄は6年ほど前、海難事故で行方不明になっていた――。


【編集担当からのおすすめ情報】
デビュー作にしてロングセラー『ほどなく、お別れです』から1年。
そして、著者が最愛の夫を亡くしてから4年が経ちました。
深い悲しみの底から立ち上がり、前を向くことを決意した著者が紡ぐ、
別れとの向き合い方、ぜひご一読ください。

内容説明

最愛の夫を亡くして4年。深い悲しみから立ち上がり、再び歩き出した著者が紡ぐ、大切な人との後悔しない別れ方。

著者等紹介

長月天音[ナガツキアマネ]
1977年新潟県生まれ。大正大学文学部日本語・日本文学科卒業。2018年、『ほどなく、お別れです』で第十九回小学館文庫小説賞を受賞(応募時タイトル『セレモニー』を改題)し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いつでも母さん

203
この年になると少なからず『永久の別れ』は経験している。身内や親族、同級生、同僚、先輩、ご近所さん・・どれも等しい『生』が無いように全く同じ『死』など無い。予期せぬ死に、いくら心の準備をしていたとしてもその瞬間は唐突だ。前作も良かったが今作はさらに沁みた。事故死、病死、自死、遺体のない区切りの死もあった。残った者は心に抱えて生きていくしかないのだと確認させられるのが辛い。美空を通してのお仕事小説でもあるのだが、必ずある『死』と今を『生きる』ことを考えさせられる。そして、やっぱり泣いてしまう。2020/04/02

おしゃべりメガネ

150
前作が思いの外、ココロにグッときた続編です。無事?正社員となり、葬儀屋で働き続ける「美空」と厳しくも温かく見守る上司「漆原」の二人はますます師弟関係を強めていきます。本作を通じて、とにかく「漆原」の指導には学ぶべきトコがたくさんあります。自信のない「美空」を叱咤激励?しつつも、一人前とまではいかずとも、人前で一通りのコトはこなせるように指導していく過程はとても印象的です。4つの話、それぞれに死者だけが思い、伝える命へのメッセージ、そして残された家族や親しい人々の在り方など、とてもステキでドラマチックです。2020/04/06

sayuri

133
「揺蕩う心」「遠景」「海鳥の棲家」「それぞれの灯火」4話収録の連作短編集。舞台は東京スカイツリーの近くにある葬儀場『坂東会館』交通事故で亡くなった17歳の少年、90歳で自殺したお婆さん、癌闘病中に急死した父親、電車に轢かれ亡くなった20代の女性、全てのエピソードが辛く涙が渇く暇がなかった。この葬儀場で働く主人公の美空やスタッフ達の優しさに胸が熱くなる。そして本作を読むと今の日常がかけがえのない物だと改めて気付かされる。最近読んだ作品の中で一番苦しく涙が溢れ続けたが、読後は心が浄化される様な感覚を味わえた。2020/03/30

モルク

123
シリーズ第2弾。交通事故で亡くなった高校生、娘を看取った後娘婿に疎まれて自殺した老女、妻と幼児二人を遺しガンで逝った男性、そして自殺か事故かわからないが電車に飛び込んだ新入社員の女性と4つの家族の物語。大切な人を失い、悲しみをぶつける矛先は相手なのかそれとも自身の悔恨か。故人との思い出、心に刻まれた笑顔が少しづつ心を癒す。どの話も身につまされ涙なしに読むことができない。葬祭ディレクターとしての美空の成長が嬉しいし、その姿をもっと見たいと思う。2020/05/23

いこ

112
日本の葬儀は全くせわしない。身近な人が亡くなったのに、涙を流す暇もない。葬儀屋さんが、すぐにメニュー(?)を持ってやってくるから。主人公美空が勤める坂東会館も葬儀屋だが、ここは悲しむ人の心に精一杯寄り添ってくれる場所だ。孤独に自死した老婆、突然事故死した少年、妻と幼児を遺して病死した夫、悩みを抱えたまま亡くなった若い女性、そして美空の友人の、行方不明の兄。それぞれが素晴らしい見送られ方をしたと思う。葬儀は故人の為だけでなく、遺された者のけじめの為にあるらしい。明日へと一歩を踏み出すきっかけとなる為に。2022/10/07

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