出版社内容情報
家、車、性をめぐる欲望……ひたすら豊かさを求めつづけ「カネ」までをも買う消費社会。戦後の消費と欲望がもたらした飽食とその陰にひそむ「貧困」を浮き彫りにし、現代の危うい「豊かさ」を問う。
戦後復興とそれにつづく高度経済成長、そしてバブル崩壊をへた今もなお、日本人は豊かさを追い求め、消費社会をひたすら走りつづけている。しかし、物質的には豊かになったといわれる社会の陰で餓死事件がつづき、だれもが現在の「豊かさ」が危ういものだということに気づきはじめている。 手に入れたマイホームでは「家族」を演じ、マイカーで生活の便利さを手にしたものの、さらにモノや情報を得るために「カネ」を買い、フツーの女子中高生は「テレクラ」「ブルセラ」をきっかけに性を売る。一方、消費社会に拒否反応を示すかのように、女性たちの間に「摂食障害」があらわれ、また世の中の流れのなかで浮遊している自分自身をみつけようと「こころ」への関心がたかまるが、それさえも産業化してしまう現代。私たちは「豊かさ」を手に入れると同時に、新たな問題をも抱え込んでしまった。 本書はこうした現代社会の諸相を多面的な視点から浮き彫りにし、戦後の消費と欲望が日本人の生活と心に何をもたらしたのかを問い、これからの生き方の機軸を探ろうとするものです。
内容説明
爛熟消費社会は日本人の生活と心をどのように変えたか。家、車、性をめぐる欲望、そして飽食とその陰にひそむ「貧困」。消費と欲望がもたらした現代のあやうい「豊かさ」を問う。
目次
「総論」戦後日本の欲望と消費(上野千鶴子)
欲望する家族・欲望された家族(三浦展)
建築は仮説に基づいてできている(山本理顕)
台所戦後史―台所からキッチンへ、そして…(山口昌伴)
日本車の現代史(徳大寺有恒)
「テレクラ」の民俗誌(宮台真司)
AVの社会史(赤川学)
「カネ」を買う人々―金融商品と庶民(高田公理)
「ごみ」から見えてくる現代社会ニッポン(桜井あかね)
飽食と摂食障害(中島梓)
こころの産業(上田紀行)
「貧」の戦後史(野本三吉)
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