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氷の轍

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  • サイズ B6判/ページ数 349p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784093864503
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

シンジツ一人ハ堪ヘガタシ。

二人デ居タレドマダ淋シ、
一人ニナツタラナホ淋シ、
シンジツ二人ハ遣瀬ナシ、
シンジツ一人ハ堪ヘガタシ。
(北原白秋「他ト我」より)

北海道釧路市の千代ノ浦海岸で男性の他殺死体が発見された。被害者は札幌市の元タクシー乗務員滝川信夫、八十歳。北海道警釧路方面本部刑事第一課の大門真由は、滝川の自宅で北原白秋の詩集『白金之独楽』を発見する。滝川は青森市出身。八戸市の歓楽街で働いた後、札幌に移住した。生涯独身で、身寄りもなかったという。真由は、最後の最後に「ひとり」が苦しく心細くなった滝川の縋ろうとした縁を、わずかな糸から紐解いてゆく。

北海道警釧路方面本部。新たな刑事の名は、大門真由。

【編集担当からのおすすめ情報】
ロングセラー文庫『凍原 北海道警釧路方面本部刑事第一課・松崎比呂』以来となる、北海道警釧路方面本部の女性刑事を主人公とした長編ミステリ-!

桜木 紫乃[サクラギ シノ]
著・文・その他

内容説明

北海道釧路市の千代ノ浦海岸で男性の他殺死体が発見された。被害者は札幌市の元タクシー乗務員滝川信夫、八十歳。北海道警釧路方面本部刑事第一課の大門真由は、滝川の自宅で北原白秋の詩集『白金之獨樂』を発見する。滝川は青森市出身。八戸市の歓楽街で働いた後、札幌に移住した。生涯独身で、身寄りもなかったという。真由は、最後の最後に「ひとり」が苦しく心細くなった滝川の縋ろうとした縁を、わずかな糸から紐解いてゆく。

著者等紹介

桜木紫乃[サクラギシノ]
1965年北海道生まれ。2002年「雪虫」で第82回オール讀物新人賞を受賞。07年同作を収録した初の短編集『氷平線』が新聞書評等で絶賛される。13年『LOVE LESS(ラブレス)』で第19回島清恋愛文学賞を受賞。同年『ホテルローヤル』で第149回直木三十五賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

309
桜木紫乃は、新作中心に読んでいる作家です。著者のミステリは、初読です。地味な事件ながら、主人公のキャラ、運命の悪戯、釧路・八戸の情景で人間ドラマを構成し、一挙に読ませます。ミステリ色は薄いですが、抒情ミステリとして完成度は高いのではないでしょうか?主人公の女刑事とドラマで主演する柴咲コウのイメージは、相性が良さそうで、ドラマも楽しみです。2016/10/20

yoshida

279
家族とは、親子とは何か。血の繋りがあっても非情な親子関係もある。血の繋りがなくとも、互いの距離を測りながら続く親子関係もある。釧路の海岸で起きた老人の殺人事件。刑事課に勤務する真由は、片桐警部補とコンビを組み事件を追う。釧路と八戸を結ぶ微かな線が、哀しくもあり、逞しくもある男女の歴史を浮かび上がらせる。自分の娘達を「売る」という哀しさ。奇跡的に妹を見つける姉。姉の記憶が無い妹。姉の献身のあまり、かつて父親代わりであった男への殺意を生む。戦後から現代までの叙事詩。哀しくも感動を呼ぶ、実に読ませる作品である。2017/07/07

おしゃべりメガネ

201
見事なまでに桜木さんワールドの真骨頂でした。とにかく作者さんの出身地、北海道道東は釧路の描写をこれ以上ないくらい素晴らしく綴っています。物語自体は、いい意味で地味であり、堅実な流れで進みますが、要所に'家族愛'が語られ、胸にグッときます。刑事モノとして、派手な展開、ストーリーではありませんが、文章にこれだけの'厚み'を持たせることのできる作家さんはそういないんじゃないかなと。主人公の女性刑事「真由」の今後の活躍を見てみたいと思う作品でした。相棒の「片桐」さんみたいな方が先輩なら、本当に頼もしいでしょうね。2017/10/19

hiro

186
桜木さん作品4冊目。桜木さんといえば北海道の釧路。この作品の舞台はもちろん釧路。その釧路で札幌在住の家族がいない八十歳の元タクシー運転手の老人が遺体で見つかるところから物語が始まる。正直、中盤までは松本清張のあの作品が頭から離れなかったが、主人公の新人女性刑事の生い立ちと、終盤に被害者が探していたものがハッキリ見えるようになり、そして北の気候とが重なって、この物語の余韻を感じが、録画したドラマの映像をみて、小説と比べてみようと思う。次に読む桜木作品は、表題作の映画をみた『起終点駅(ターミナル)』にする。2016/11/12

星落秋風五丈原

182
ドラマ原作書きおろし。桜木さんの物語の舞台はやはり北海道。『凍原』の松原が脇役で登場し真由の憧れの存在に。皆さんが書かれているようにミステリよりは人間ドラマに重点を置いた作品。2016/11/16

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