極卵

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  • サイズ B6判/ページ数 333p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784093863872
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

食品の安全神話を深くえぐる問題作登場!

天使の卵か悪魔の卵か……。
吉祥寺にある有名自然食品店で売られている卵は、極上の味、『極卵(ごくらん)』と呼ばれて大人気の商品だった。しかし、この極卵を原因とする、食中毒事件が発生。時間がたつうちに幼児の感染者が次々に死亡していく。餌、衛生管理は完璧だったはずなのになぜ汚染されたのか。
疑惑を追い始めた元新聞記者の瀬島桐子。桐子の同級生だった野々市純子の長男も中毒患者のひとりに。純子はカリスママダムといわれブログ上では著名な存在だった。被害が拡大していくなか、過激なまでに業者を糾弾していくモンスター消費者の広告塔に祭り上げられる純子。話題性抜群と、事件を煽る新聞、テレビメディア各社。そして事件の裏には遺伝子組み換え食品を手がける大企業の影が……。
偽装食品、遺伝子組み換え食品など時代を揺るがす事件が多発する現在、食品の安全とは何かを鋭くえぐる社会派ミステリーの登場。「これは、私の最高傑作」と言い切る医療ミステリーの旗手仙川環が二年に渡って執筆した傑作書き下ろし作品。

内容説明

有名自然食品店で売り出された卵は、極上の味がキャッチフレーズの高級商品『極卵』。安全、安心だったはずなのに、猛毒による食中毒事件が発生する。時間が経つうちに感染者が急増し、次々に死亡。過激化した消費者団体は業者を糾弾し、大手マスメディアは過熱報道を増していく。しかし取材を始めた元新聞記者の瀬島桐子の前に、隠蔽された驚くべき真実が浮かび上がってきた…。医療ミステリーの第一人者が現実の先を描ききった渾身の書き下ろし小説。

著者等紹介

仙川環[センカワタマキ]
1968年東京都生まれ。大阪大学大学院医学系研究科修士課程修了。大手新聞社在籍中の2002年に書いた小説『感染』が第一回小学館文庫小説賞を受賞し、作家デビュー。その後執筆活動に専念する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あすなろ

83
まずは仙川氏の作品として、久しぶりにヒット。失礼ながら最近ツマンナカッタ。本作は、食品の在り方と遺伝子組み換えを卵から説いていく。遺伝子組み換えの危険性よりも、個人的には、異常に自然食品に拘る団体とのやり取りが興味深い。確かに、食の安全は第一である。それを突き詰めれば高くなって当然。しかし、安くなくてはならない。その主張の矛盾に笑えてしまう。それはさておき、遺伝子組み換え食品とどう対峙して行くのかということは本当はもう既に一定の議論を終えていなくてはならない段階なのだろう。社会的疑問呈する仙川氏らしい作品2014/11/19

ゆみねこ

74
食の安全は、毎日の食事を手掛ける主婦には最も関心のあることです。しかし、あまりに安全にこだわり過ぎたり神経質になりすぎて生き難くなる場合もあったり。この作品では自然食品の店で販売された4個で千円という高級な卵「極卵」を生で食べた人がボツリヌス菌による中毒にかかり、その原因を探るフリーライターの視点で進みます。真剣に取り組む生産者の苦労と、何かことが起きた時に「正義の鉄槌」を降りおろすマスコミ。色んな事を考えさせられる作品でした。2015/01/16

Yuna Ioki☆

67
761-370-27 「食の安全とは何か」を問いかける一冊。一消費者ではどうしようもないことがあるのも事実だし、お金をかけないと安全な食材が手に入らないのなら世の中の仕組みが間違っているということなのだろうな。情報に惑わされる怖さもあるし。。。食品添加物が野放しの子供時代を過ごしているので即効性で死に至る毒物でない限りは気にしないスタンスの私には「食の安全に盲信」する人の気持ちは理解できない。2014/11/16

いたろう

60
ケージに入れない平飼いで飼育された鶏、その理想の飼育方法による高級卵から発生した食中毒。何が原因なのか。そして、何が正しい情報なのか。マスコミの横暴、行き過ぎた消費者活動家、行政への不信感、拡散するデマ。これらが渾然一体となって紡がれる社会派ミステリにして、食の安全の問題に鋭くメスを入れた快作。それだけに、ラストの「種明かし」が少々唐突な感じがして残念。もう少し謎解きの展開に時間を割いて欲しかった、と思うのは自分だけではないはず。2015/04/15

chichichi

56
深い内容でした。1つ250円もする卵から巻き起こる社会問題。食の安全とは…。有機・無農薬・自然食…できる範囲で選びたい。あれがいいよ!これがいいらしいよ!と言われると、どれどれ?と気になってしまう。あぁぁ、他人事じゃなかったこのお話。日本は食に関して安心できる方だろうけど、食品問題がちょくちょく起きる度に何を信用すればいいのか不安になる。マスコミに煽られる事なく自分で見極める力が必要。最後の3行に込められたメッセージを大事にしたい。2015/04/28

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