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南下せよと彼女は言う―旅先の七つの物語

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  • サイズ B6判/ページ数 252p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784093863339
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

欧州を舞台に綴られる旅の叙情あふれる物語

読んでいるうちに、ふらっと旅をしたくなってくる、あるいは、まるで、ヨーロッパの街を、主人公と一緒にゆったりと旅をしているような気分になってくる、そんな珠玉の紀行小説です。母、有吉佐和子譲りのストーリーテラーとしての才能を存分に発揮し、女性読者に支持されている有吉玉青氏ですが、この作品は、美術、映画、食文化にも造詣が深い著者ならではの細部にわたる描写が冴えわたっています。学生時代に友人たちと旅したパリを10年後にひとりで訪れ、両親の友人であるフランス人と再会して、父とフランス人の秘められた愛を知る「秋の休暇」、ベネツィアで「旅情」「カサノバ」など映画ゆかりの地を42歳の女性が旅する「ピアッツァにようこそ」、クリスマスに、ウイーン、プラハのツアーを引率する添乗員男性が、ひとりでツアーに参加している女性を気にかけながら旅を続けていく「添乗員のクリスマス」、ほかにも、ドイツ、スイス、オランダ、ハワイを舞台に旅の人間模様が繰り広げられう計7編。「ああ、旅っていい!」小説の世界で旅の快楽に浸ることができる傑作。

【編集担当からのおすすめ情報】
人が殺されたり、大きな事件は起こりません。でも、旅にでると、人と出会ったり、情緒あふれる風景を眺めていたりするうちに、出会った人の人生を想像したり、自分の人生を振り返ったり、甘い恋を思い出したり、人それぞれに、日本にいるときに感じたことのない心情に、ふーっとはいりこんでいくことはないでしょうか?この七つの物語は、そんな世界にゆるやかに連れていってくれます。「うん、やっぱり旅が好き」、きっとそう思う、絶対おすすめの紀行小説です。

【著者紹介】
作家。1963年生まれ。早稲田大学哲学科、東京大学美学藝術学科卒業。ニューヨーク大学大学院演劇学科終了。母・佐和子との日々を綴った『身がわり』で坪田譲治文学賞受賞。著書に小説『ねむい幸福』『キャベツの新生活』『車掌さんの恋』『月とシャンパン』『風の牧場』『ぼくたちはきっとすごい大人になる』『渋谷の神様』『カムフラージュ』、エッセイに『ニューヨーク空間』『雛を包む』『世界は単純なものに違いない』『恋するフェルメール』『三度目のフェルメール』など。

内容説明

情趣溢れる街並み、思わず息をひそめて見た美術館の絵画、ふとした出会い、大切なひととの思い出、自分を見つめ直した夜…。旅の情緒と、旅先の人間模様が、心温まる描写とともに美しく繰り広げられる七編の物語。

著者等紹介

有吉玉青[アリヨシタマオ]
作家。1963年東京都生まれ。母・佐和子との日々を描いた『身がわり』で坪田譲治文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミカママ

445
タイトルがいい。蓋を開けてみれば、ヨーロッパ主の旅に絡めた人生の切り取り、とこれまた好きなタイプであった。玉青さん、歴史だけでなく美術にも造形が深いのだな。この夏日本で観たクリムトの「ベートーヴェン・フリーズ」にそんな背景があったとは。もちろんただの紀行集ではなく、そこには男女の裏切りあり、不倫あり、で読み応えある一冊になっている。ラストのハワイだけちょっと異質だが、「南下」だけに必要だったのか。2019/09/10

アメフトファン

46
2013年最後の本。色々な国での様々なエピソードが良かったです。特に印象に残ったのが最後の章の「永遠の一日」。私自身も帰国子女で幼い頃を過ごしたシアトルをたまに思いだします。仕事で久しぶりにシアトルに戻った時にあの頃の友達はどうしているかな~と思い出しました。この話のようにあの頃とみんなと会えたら感慨深いでしょうね。スペインを旅する話は少しさびしかったです。妻とは出来るだけ色々なところに行きたいなと改めて思いました。2013/12/31

ヨミー

45
初読みの作家さん。主にヨーロッパの国別の旅をしているかのような肩の力を抜いて読める素敵な短編集。行ったことのある国の話は当時を思い重ねながら、行ったことない国は旅しているかのような楽しい気持ちになれた。主人公達が旅行をした後の少しだけ前向きな気持ちになっている感じがする。久しぶりにヨーロッパ方面に行って美術館巡りしたり、ゆったりカフェしたり、買い物したり、観光したりしてみたくなりました。2017/02/02

nemuro

42
図書館本。たぶん、初遭遇の作家。市立富良野図書館では、「どくしょのきろく」(形状は銀行の通帳とほぼ同じ)のサービスがあり、その都度、備え付けのパソコンで印字(記帳)できて、年月日、書名、著者名が記録される。ちょうど私が富良野に住み始めた2017年にサービスが開始され、当初から利用していて現在2冊目。それによると本書は3回の延長(つまり8週間)を経ての読了。タイトル通り順番に欧州を南下しているのかと思いきや、最後は飛んでハワイ。どうやらスペインが舞台の6編目、「南へ・・・!」からのタイトル決定だったようだ。2020/12/26

Kumiko

30
ちょっと硬めのタイトルとは非なる、リラックスして読める短編。それぞれの主人公が事情を抱えて、かねてより訪れたかった地へ旅をする。一番心に沁みたのは「南へ…!」の、連れ添った妻を亡くして、スペインを一人旅する男性の話。妻が行きたがっていたスペインを代わりに訪れ、心の中で妻と対話しながら弔う。旅で新たに得た美しい感慨と、悲しい思い出がないまぜになり、時折涙する主人公…思わずもらい泣き。私が死んでも夫にこんな弔い方をしてほしい、と思ってしまった。寝る前に読んだら素敵な夢が見られそうな一冊。2016/08/22

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