うちへかえろう

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  • サイズ B6判/ページ数 171p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784093862080
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

35才、ひとり暮らし、派遣社員の私は、クレジットカード利用者リストのなかに、十数年来消息を絶っていた姉の名前をみつける。姉は私の恋人を寝取って、そのまま行方をくらませていた。家族の物語が、ゆるゆると動き出す。希薄であるがゆえに求めてしまう、人との繋がり。太宰賞作家が描くふしぎな温もりの「家族ごっこ」小説。

著者等紹介

小川内初枝[オガワウチハツエ]
66年、大阪府生まれ。02年、「緊縛」で太宰治賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぶんこ

52
著者初読みで、読後感が書きにくい。父、母、姉、そして主人公の妹圭の誰にも共感できませんでした。周囲の迷惑にも気づかず、鳩に延々餌をやる父。自分の娘たちに考えられないような暴言をはく母。妹の彼を略奪した姉。こうして書くとハチャメチャな家族で、ザワザワした小説を思い浮かべそうですが、只々だら〜んと物語が進んでいきます。読者の一員として読んでいる限りでは、母親の暴言を忘れる事は難しいのではと思う。それでも年末に実家に行く姉に驚きました。家族だと許せるのかな?2016/06/28

野のこ

31
「ほわっと甘い香りがほのかの鼻をかすめ、ふと哀しくなった」甘いお饅頭は癒されそうなのに相反してのこの一文が印象的でした。結婚もせず、派遣会社で判を押すような毎日。孤独だけど小川内さんのリズミカルな文章と、目立つ性格の井手さんや多分ひとりで生きて行くだろう佐々木さんの滑稽な登場人物も出てきて楽しめました。パンダ氏が繋がったのにはくすり。ラストの姉と両親の変なテンションで終わったのにはモヤモヤです。表紙のようにキケンなドライブに行くのかしら?2017/02/02

スノーマン

30
初めての作家さん。淡々とした日常を過ごしてるところへ、ずっと消息不明だった姉が登場することで、家族の関係も少しずつ変わっていく。ドラマチックな展開には遠いけど、ちょくちょく出てくる食べ物の描写と関西弁が心をほぐしてくれる。姉妹って、母娘って、女性同士の身内だからこその不思議な関係。でも鳩に夢中で餌をばらまくお父さんが怖かったな。。あと見合い相手の佐々木のつかみどころのなさが最強。こんな男の人、いるかも〜と思わず笑う。2014/05/02

竹園和明

26
確かに家族は常に一枚岩ではないですね。家族故に感情がもつれ易い面もあります。この本はある家族のちょっとした再生の物語なのでしょう。テンポよく話が進み読み易いのですが、イマイチ浅かった。姉妹を軸に話が展開しますが、“妹の彼氏を略奪し長年消息不明だった姉”という大きな題材も結局生かし切れていないし、その姉が学生の頃に母親と確執があった件も素っ気ない扱われ方で、何だか勿体ないですね。妹と見合いした淡泊な男はどこへ行ったんでしょうか。踏み込みの浅さが残念です。2016/06/05

スノーシェルター

21
主人公の寂しさが、自分のことのようでドキッとした。家族なのにバラバラ。でも少しずつ変わっていく。諦めと歩みよりが必要なのね。私には一生無理だな。ちょっとモヤモヤ。2015/03/25

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