出版社内容情報
千野夏樹は都内の書店に勤めて5年になるが、いまだにアルバイト店員のまま。17歳のときの援交体験がもとで、人間関係がうまく築けないでいる。日々の寂しさを埋めようと年上の既婚者や出版社の営業担当とつきあうが、心の隙間は広がるばかりだ。そんなとき、夏樹は店で中年女性の万引きを目撃し、大学教授の妻である彼女の家を訪ねる。そこで出会ったのは、崩壊家庭の中で自らを確かに保って生きようとする高校生の光治だった。10歳年下の高校生との出会いの中で、自らの存在に目覚めていく夏樹。「愛」という言葉ではたどり着けない何かを探して、気鋭の女性作家が描くアンチ純愛小説。 「ベイビーシャワー」で小学館文庫小説賞を受賞した著者の受賞後第一作目の書き下ろし。
内容説明
夏樹は都内の書店に勤めて5年になるが、いまだにアルバイト店員のまま。17歳のときの援交体験がもとで、人間関係をうまく築けないでいる。寂しさを埋めようと年上の既婚者や出版社の営業担当と付き合うが、心の隙間は広がるばかり。そんな折、夏樹は店で中年女性の万引きを目撃し、大学教授の妻である彼女の家を訪ねる。そこで夏樹が出会ったのは崩壊家庭の中で自らを確かに保って生きようとする高校生の光治だった。期待の女性作家が描くアンチ純愛小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なつ
12
孤独と淋しさ。愛はどこにあるのか。痛々しくもあり、どこか生き辛さも感じる。でも、物語は割りと淡々に進んでいき、なんとなく「まぁ、いいんじゃないの」と思えてくる。2017/11/10
野のこ
10
「愛の分からない女の子」高校一年で人生が狂い始めてから10年経ってもなお、お手軽な娼婦のように扱われて傷つく。愛することが出来ずに、でも寂しくて誰かのぬくもりが欲しい。「これが私、これが自分のしてきたこと」とどうしようもなく繰り返してしまう。残念ながら共感出来ずに最後まで暗い。ひょんなことから出会った高校生の青年とは海で戯れて「海の底に沈むのはいつでもできるしね」って、ラストまで大丈夫かー!って思いました。愛することを知るって難しい。2016/12/03
瑪瑙(サードニックス)
3
私には夏樹や光治の気持ちを想像する事はできても、理解することは難しい。でも現実にこんな二人がどこかにいるかもしれないと思わせるストーリー展開で、ぐいぐいと引き込まれていきました。最後は希望の持てるさわやかな気持ちになりました。2011/03/09
ASAKO
2
人生の辛さを、自分の弱さを本を読む事にぶつける。答を探すべく読んでいる筈の行為に、その没頭する瞬間(とき)に依存する。分かっているけど、逃れられない、抜け出せない。辛い。淋しい。誰かの体温を感じていないと、消えてしまいそう。誰でも良い訳じゃないけど、だって、たった一人の運命の相手なんて、どこにいるのよ━━━という千野夏樹の心の叫びは、思春期を越えたくらいの女の子の本音を本当に上手く表してると思う。ねぇ、あたしの心、ほしい?じゃあ手はつながないでおこう。2011/06/19
遠い日
1
060111【読書ノート/ひとことメモ】心開ける人との出会いは自分を変える。2006/01/11
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