出版社内容情報
肺癌を病んだ生物学者が、恐竜の化石から発見した生命素・ガンダルヴァ。不死の命を得るため彼はそのガンダルヴァを体内に入れるが、ガンダルヴァは、彼の生命を道連れに身体から飛び出してしまう。その不思議な生き物のさまよう先に繰り広げられる7つの物語。
肺癌を病んだ生物学者が、三畳紀の恐竜の化石を電子顕微鏡で調べていて発見した不思議な生き物は、ヒンドゥーの経典でガンダルヴァと名づけられた生命素そのものだった。死が迫ったとき生物学者はガンダルヴァを体内に入れ、不死の命をつかもうとするが、ガンダルヴァはむしろ彼自身の生命を道連れにするかのようにその身体から飛び出してしまう。その不思議な生き物、ガンダルヴァのさまよう先に繰り広げられる7つの物語から本書は成る。 直木賞作家・篠田節子氏が「冷やかな、しかし艶な、比類なきダーク・ファンタジーを、この人は書き上げた」と讃えた、日本では稀有な正統派の幻想ホラー小説集。
内容説明
否応なしに向きあわされる死がある。生きるのが苦しくて向かう死もある。しかし、人は死に向かう時、世界がまだ希望に満ちていた幼い頃にどこかで離ればなれになってしまった魂の片割れと、再びふいに出会うことがある。恐怖より深い絶望、愛よりも深い安息。奇跡のホラー。
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- 和書
- 母と子のお雛さまめぐり