出版社内容情報
『仮名手本忠臣蔵』と赤穂事件。知っていそうで、実は混同しがちな史実と歌舞伎の異同。本書では、代表的な時代物約40作を、その元になった史実や事件・人物とを時代別に見開きで紹介。みどころや名セリフも入ったユニークな歌舞伎ガイドです。
歌舞伎には、江戸時代の庶民の喜怒哀楽を描いた「世話物」と、歴史的事件や実在の武士・貴族の事件に取材した「時代物」があります。 ところが、歌舞伎が誕生した江戸時代は、史実そのまま、もしくは事件を実名で上演したりすることは幕府が認めなかったため、「時代物」の多くは、時代設定を変えて上演されました。そこに作者たちの趣向が生まれ、歌舞伎独自の魅力も形作られた訳ですが、一方、余り歌舞伎を見慣れていない今の観客には、かえって混乱する場合も出てきます。 そこで本書では、代表的な「時代物」の演目(『妹背山婦女庭訓』から『江戸城総功』まで)約四十本と、その元になった史実や事件(大化の改新から戊辰戦争まで)を時代順に見開きで取り上げ、歴史と舞台との異同を一目で理解できるようにしました。みどころや、名セリフなど、観劇を楽しくするコラムもあります。 歌舞伎通の方には野暮な本かも知れませんが、歴史は好きでも歌舞伎を敬遠されている方や、歌舞伎は好きだが歴史は苦手という方に、改めて史実と歌舞伎との関わりを知っていただき、歴史も歌舞伎もいっそう楽しんでいただけるユニークなガイドです。
内容説明
歌舞伎の時代物の人気作40演目を取り上げ、『仮名手本忠臣蔵』と「赤穂事件」や『妹背山婦女庭訓』と「大化の改新」など、歌舞伎作品と、その元となった歴史的事件・事項を年代順に並べて対比したもの。索引付き。
目次
妹背山婦女庭訓(吉野川)(御殿)―大化の改新
積恋雪関扉(関の扉)―六歌仙の時代
雷神不動北山桜(毛抜)―小野小町伝説
日高川入相花王―安珍と清姫
菅原伝授手習鑑 壱(道明寺)―藤原氏と菅原氏
菅原伝授手習鑑 弐(車引)ほか―道真の栄光と挫折〔ほか〕