出版社内容情報
「反日」も「嫌韓」も、もうウンザリだ
茂木健一郎氏が激賞!「面白かった! 地を這う旅だからこそ、見えてくる真実がある。これは、時速19キロで走る筆者と読者がシンクロする新しいノンフィクションだ」
”国ごと嫌いになる”っておかしいだろう……。
韓国では「反日」が、日本では「嫌韓」が今なお根強く残っている。だが、かくも嫌われる隣国とは、いったいどんな国なのか? 「自転車で一周してみて、やっぱり韓国が嫌いになるなら、それはそれで結構だ」――そんな思いを胸に、著者は旅に出る。
三・一独立運動記念碑、李舜臣将軍海戦碑、愛国志士祠堂、晋州・矗石楼、光州市内、天安・独立記念館……。幾多の「抗日」史跡をめぐる中で、時に現地の人々と議論を交わし、著者は”いまだ敗れざる日帝”の影を見る。「独立運動の志士たちの歴史を知り、自尊心を養うのは良いことだ。ただ、なにかを嫌わせるような自尊心は良くないと思う」
韓国人たちの詩情と歴史を学ぶ一方、日韓間の埋めきれない溝を感じながら、著者は新たな国家の物語を夢想して、南北軍事境界線へと自転車を漕ぎ出した……。
地を這う旅の中で、知られざる隣人の心情や苦悩を“体験”してゆく、新感覚ノンフィクション。
【編集担当からのおすすめ情報】
著者の才能にいち早く注目していた茂木健一郎さんは、この作品を読んだ感想を以下のように寄せてくださいました。
「自転車で釜山を出発して、韓国の土地を這いずりまわるように駆け抜けた著者だからこそ、38度線の『向こう側』に行けない、国が分断されてしまっていることの異常さ、もどかしさを身体性をもって語れるのだろう。地雷原や検問所の兵士たちのエピソードがまさに山脈のように連なるクライマックスも、読み応えがあった。また、光州事件に象徴される、権力に対する反逆心を、いわゆる『反日』の傾向と関連づけて論じた点は新たな視点を与えられた思いだった。」
今なお反目し合う日韓関係に一石を投じる、新たなノンフィクションの書き手の作品をぜひ一度読んでいただけたらと思います。
プロローグ
第1章 原点からの旅立ち
――慶尚南道その一 釜山から昌原まで――
第2章
内容説明
三・一独立運動記念碑、李舜臣将軍海戦碑、愛国志士祠堂、晋州・矗石楼、光州市内、独立記念館、そして南北軍事境界線へ―そこには“いまだ敗れざる日帝”がいた。
目次
第1章 原点からの旅立ち―慶尚南道その一 釜山から昌原まで
第2章 道に残る抵抗の痕跡―慶尚南道その二 鎮海から河東まで
第3章 花と伝統と愛郷心―全羅南道その一 梅花村から光州へ
第4章 民主化運動の「聖地」光州―全羅南道その二 尹祥源の足跡を追って
第5章 「日帝」は不滅なのか―全羅北道から忠清南道・独立記念館へ
第6章 休戦線ストーキング紀行―臨津江、地雷原、北極星を経由して
著者等紹介
前川仁之[マエカワサネユキ]
ノンフィクション作家。1982年大阪生まれの埼玉育ち。東京大学教養学部(理科I類)中退。人形劇団等を経て、立教大学異文化コミュニケーション学科卒。在学中の2010年夏、自転車でスペイン横断。2014年、スペインの音楽家アントニオ・ホセの故郷を訪ねてその生涯を辿った作品で開高健ノンフィクション賞(集英社)の最終候補となる。現在、週刊プレイボーイ、SAPIOなどで執筆している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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