宿命の子―笹川一族の神話

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宿命の子―笹川一族の神話

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  • サイズ B6判/ページ数 701p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784093798631
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0095

出版社内容情報

父・良一を支えた笹川陽平の「復讐の物語」

本書は、競艇の創設に尽力し「日本のドン」の汚名を背負った故・笹川良一氏と、ハンセン病制圧を中心とした慈善事業を担う三男の笹川陽平・日本財団会長の、父と子の物語である。
1899年に生まれた笹川良一氏は戦後、A級戦犯容疑者として巣鴨プリズンに収監。48年の釈放後、51年のモーターボート競走法制定に尽力、全国モーターボート競走会連合会、日本船舶振興会を設立し、会長に就任。競艇の売り上げの一部を慈善活動に使う集金システムは、「右手でテラ銭を集めて左手で浄財として配る」と揶揄され、90年代にはメディアが“笹川帝国”批判キャンペーンを繰り広げた。
ロシアの沈没船引き揚げに大金を投じるなど、暴走を始めた晩年の父を陰ながら支えた陽平氏は、父なき後、父が特に心血を注いできたハンセン病制圧活動をライフワークに据えた。ジャングルの奥地など世界のあらゆる場所に自ら赴き、薬を届けて啓蒙活動に身を捧げる陽平氏の姿を、著者・高山文彦氏は「これは大いなる復讐の物語だ」と捉え、数奇なる父子の人生を綴ったのが本書です。
本書は週刊ポストで2012~2013年に全74回にわたって連載された。


【編集担当からのおすすめ情報】
メディアが長年にわたってタブー視してきた笹川一族の神話を解き明かし、その真実を明らかにした本書は、昭和史の裏面に光を当てた一級のノンフィクション作品です。著者が自身の代表作と胸を張るノンフィクション文学をご堪能ください。

内容説明

戦後最大の被差別者は父・笹川良一です。「日本の黒幕」と呼ばれた父を支え、慈善活動に捧げたその遺志を継いだ三男・笹川陽平の比類無き半生を追う“傑作評伝”。

目次

私生児の空
A級戦犯容疑者
下男として生きて
父の家
巣鴨プリズン
天皇を守れ
ボートレース創始
嫡男になる
ハンセン病を制圧せよ
孤独な改革者
乱心と献身
お家騒動
巨魁秘録
新会長曽野綾子
国連決議への道
世界の表と裏で
東日本大震災

著者等紹介

高山文彦[タカヤマフミヒコ]
1958年宮崎県高千穂町生まれ。法政大学文学部中退。1999年、ハンセン病で早世した作家の評伝『火花北条民雄の生涯』(七つ森書館刊)で第31回大宅壮一ノンフィクション賞と第22回講談社ノンフィクション賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

どんぐり

59
日本最大の資産規模をもつ日本財団の笹川陽平会長を扱った伝記。実父は、「A級戦犯」「右翼の大物」「日本のドン」と喧伝された笹川良一である。著者は「宿命の子」として陽平を扱っているが、700ページもあるこの本で描いているのは実は良一のことだった。巣鴨プリズンで収監中に笹川良一が受刑者のために書いたポルノ小説を紹介していたのが些末な話で面白かったが、途中から何を描こうとしているのかその真意が見えず、読み続けるのに耐え難くなった。これなら、工藤美代子の『悪名の棺―笹川良一伝』のほうが断然面白い。2015/11/13

おかむら

38
戸締り用心火の用心、と昭和世代には懐かしい日本船舶振興会のCM。あの胡散臭いおっさん笹川良一って何者か? ということで読んでみた。本書は息子の笹川陽平の評伝ですが、半分以上が息子に多大なる影響を与えた良一の話。めっちゃ面白い! とんでもなく規格外想定外の人だったよ! 権力者は私服を肥やしがちという思い込みを覆えされたわ。第5章の巣鴨プリズンと第10章のお家騒動が白眉。後半は陽平が立派な人すぎなので面白みには欠ける。「世界は一家人類は皆兄弟」って本気だったんだ! 700pの大著なので読み応えあり。2018/08/06

遊々亭おさる

17
「人類みな兄弟」「一日一善」…ブラウン管の向こうから満面の笑みで呼びかけるおじさんを子供ながらに胡散臭く思いながら見ていたのを思い出す。競艇の産みの親にして、ハンセン病撲滅を掲げた慈善事業家である笹川良一氏とその三男である陽平氏の壮大なる人類救済の物語。陽平氏を軸に据えたノンフィクションなれど、稀代のトリックスターである良一氏の無鉄砲乱暴ぶりがすこぶる面白い。天皇をお守りするために自ら望んでA級戦犯として巣鴨ブリズン入りし、詐欺師に騙されていると知りながらもでっかい夢を追いかけた爽快さに◎。2015/07/29

Kei

12
よく書かれています。時間をかけてやっと読了。慈善、無償、寄付、考えさせられます。賭博のアガリの背中の善。うーん、人間らしいかもしれません。2015/04/11

Hiroki Nishizumi

6
読み応えある本だった。これまでマスコミが主導する笹川一族へのネガティブキャンペーンでイメージを作っていたが、かなり考えが改められた。内容を読むと確かに良一は宇宙人のように感じるし、日本財団の会長が女性作家になった途端にマスコミのネガキャンがなくなる理不尽さも理解できる。なんだかんだ言っても世のため人のためになっていれば立派だ。またそもそも良一に株や商売の才能があったことがこの本の副題でもある神話に発展していった歴史に感心した。2015/04/10

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