逆説の日本史〈18〉幕末年代史編1―黒船来航と開国交渉の謎

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  • サイズ B6判/ページ数 377p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784093798310
  • NDC分類 210.04
  • Cコード C0095

出版社内容情報



井沢 元彦[イザワ モトヒコ]
著・文・その他

内容説明

「日本は前触れなしに突然やってきたアメリカのペリーという乱暴な男に強引に開国させられた」。これが日本人の持っている歴史認識だ。しかしこれは正確ではない。ペリーが「強引」だったのは本当だ。だが「突然」では決してない。それどころか、アメリカは実に慎重に紳士的に粘り強く交渉を続けていたという事実がある。アメリカを激怒させた幕末の「日本外交」。

目次

幕末から維新へ・『前史』としての日米交渉史(オランダ国王開国勧告を拒絶した幕府の思惑;日本外交は「嘘つき」で「二枚舌」と喝破したペリー)
幕末激動の十五年(一八五四年編―日米和親条約締結で意識的に行なった誤訳;一八五五・五六年編―「徳川の終わり」を印象づけた安政の三大地震;一八五七年編―「倒幕の大功労者」ハリスは何をしたか?)

著者等紹介

井沢元彦[イザワモトヒコ]
作家。1954年2月、愛知県名古屋市生まれ。早稲田大学法学部卒業。TBS報道局記者時代の80年に、『猿丸幻視行』で第26回江戸川乱歩賞を受賞。現在は執筆活動に専念(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ひろき@巨人の肩

77
幕末編Audiobook配信開始。書籍の構成も変わり、掲載される史料が大幅に増えた点が良い。本巻はニ部構成で、一部は幕末前史としてペリー来航時の日本/アメリカ双方の交渉戦略を日本/アメリカ双方の視点から分析。言霊思想による先送り主義が「ペリーは突然やってきた」と現代日本人を誤認をさせる。第二部は幕末年代史編と称して1854年から1年単位で史実を追う。国益を逸した愚策は日米和親条約と金流出を招いた円ドル交渉。安政の三大地震が徳川の終わりを印象づけ、正気の歌、日本外史により庶民にまで尊王思想が広がる。2024/01/28

ころこ

34
幕末における対米関係は単なる歴史の叙述ではなく、著者の問題意識は敗戦、そして現在における対米関係と連続している。当然、そこで対応した幕府の役人たちの官僚制組織の弊害は、戦前の軍隊の官僚制、現在の政治家を含めた国家の意思決定機関の機能不全を意識したものになっている。言霊信仰と朱子学による日本人の現実に向き合わない性向は幕末でも決定的な判断ミスを招来し、また現在でも変わらないという。敗戦で切断した歴史観では現実に対応できない現在、江戸期からの連続でみる歴史観による洞察が示唆することは多い。2022/10/09

しーふぉ

15
ペリー来航前後の外国との交渉がメイン。開国が金の流出を招いたのは事実だけど、問題は地銀に対しての外国とのレートではなくて、国内の金対銀のレートだったのではないかと思うんだけど・・・2015/04/21

せいたろう

11
逆説の日本史シリーズは初読。日本人のコトダマ信仰がいかに罪深いかよくわかった。それが今も続いていることも。幕末は朱子学から抜けれただけでも良かったかなというのは少し甘いかな。合理的な思考が出来ず損をしてきた日本。井沢さんは歴史学的には異端なんだろうけど考察や推理は面白い。2019/12/08

パラオ・スパニッシュフライ

10
分厚いし難しい文章で書かれていて読破できるかなぁと思っていましたが、全然違った!! ハマる、のめり込む!ペリー来航前後でこんなにも出来事があったなんて知らなかったです。" 逆説"と題名についているけど、突拍子もない事が書かれているわけではありません。ちゃんと調べられた歴史本の1つです。 幕府はもうあの時代にはそぐわない政府になっていた。だから遅かれ早かれ革命が起きて新しい仕組みが出来上がるのは必然だったのがよくわかりました。次巻も楽しみ。やっぱり幕末は面白い。2017/07/25

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