出版社内容情報
井沢 元彦[イザワ モトヒコ]
著・文・その他
目次
第1章 道鏡と称徳女帝編―愛人騒動をデッチ上げた「藤原史観」
第2章 桓武天皇と平安京編―遷都を決意させた真相と風水説
第3章 『万葉集』と言霊編―誰が何の目的で編纂したのか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひろき@巨人の肩
94
称徳女帝の錯乱と桓武天皇の平安遷都を考察。ポイントは寄生虫・藤原氏の暗躍と中国思想。称徳女帝は、皇帝を目指した藤原仲麻呂を阻止したが、道鏡への禅譲を画策。宇佐八幡宮信託事件により失脚し、藤原永手が天智系・白壁王(光仁帝)を擁立した。称徳女帝、道鏡、仲麻呂の構図は、呂太后、嫪 毐、呂不韋を想定させ「道鏡愛人説」が生まれた。桓武天皇は、政争で憤死した弟・早良親王の祟りを恐れ、風水を取り入れた平安京へ遷都。軍隊放棄と墾田永年私財法により国力弱体。万葉集の撰者は早良親王に仕えた大伴家持。当初は犯罪者の鎮魂が目的2022/07/25
背古巣
49
これまでの怨霊信仰に加えて、言霊信仰が加わった。氏の言っていること、証明せんとしていることはすごく説得力があるなと思って読みました。これまで、名前しか知らなかった歴史上の人物や出来事について、日本人の本質を踏まえて検証していく過程がとても面白いです。ただ、本職の歴史家さんへのダメ出しが多いのに、ちょっと辟易しますが…😁💧2020/06/09
ひろき@巨人の肩
35
怨霊信仰、言霊信仰を理路整然と説明できる井澤先生に感服した。この2つにより古代日本人の残す史料は中国、欧米のものと全く異なる。そのため歴史学において中国、欧米で主流の史料至上主義を取り入れても、日本史の真の姿が見えてこないとの指摘に納得。称徳女帝の目指した禅譲の思想、桓武帝の怨霊シェルターとしての平安京遷都、「寄生虫」として政治手腕を発揮する藤原家、鎮魂としての万葉集など今回も彼らの宗教的な背景を取り入れて生き様眺めることで、彼らがまさ現代日本人の祖先だったと身近に感じることができた。2015/08/07
のほほん@灯れ松明の火
18
言霊思想は確かにあるなぁーと思いました。ただ、他の考え方に対する著者の批評が何度も何度もあるのが、読んでいて少し辛かったです。こういう考察もあるんだなぁっと知ることができるのは、面白いのですが…。2012/08/14
こも 旧柏バカ一代
13
穢れ等の思想、宗教的な視点から見ると凄く参考になるが‥‥ 他人をねぇ‥‥2019/03/17