内容説明
北海道滝上町『陽殖園』園主・高橋武市。14歳から50年間、ひとりで「夢の花園」をつくりあげた男の、究極の庭づくり物語。
目次
第1章 スミレと遊んだころ―開拓農家の日々
第2章 背負い篭のレンゲツツジ―人生への模索
第3章 てのひらのストローブマツ―行商の日々
第4章 サボテン山の危機―エリカに夢を託す
第5章 大群落キンロバイ―花を絶やさない庭
第6章 イチイが寒さから守る―北国の庭づくり
第7章 北国のパラダイスを夢みて
著者等紹介
さとうち藍[サトウチアイ]
1952年長崎市生まれ。神戸市外国語大学卒業。自然とそこを生きる人々をテーマに取材、執筆活動を続けている
関戸勇[セキドイサム]
1946年、福岡県生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒。岩波映画製作所を経てフリーの写真家となる。自然や植物、庭などをテーマに写真を撮り続ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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遠い日
7
宮下奈都さんのエッセイの中に登場した、月刊たくさんのふしぎ2006年6月号「夢の庭づくり」(さとうち藍・文/関戸勇・写真)から、こちらへ。もう少し詳しく高橋武市さんのことを知りたくて手にする。14歳で、花で生きることを決意した武市さんの50年を、克明に追っている。この陽殖園に植えられた全ての植物が武市さんの手になる。北海道滝上町の気候の中で生きる植物を作ってきた。土を運び入れ山を作り、その努力たるや並大抵のものではない。植物への愛情と自分のやり方への信念が支えた時間だ。植物の命が輝く庭を、見たいと思った。2014/03/29
slowpass
4
放っておけば熊笹だけが生い茂る土地。花を売ることが仕事になるとは思われなかった時代に花が育つ場所をつくりはじめた高橋武市さんの話。 たくさんのふしぎシリーズ「夢の庭づくり」をもっている人がいてそこから武市さんや陽殖園の存在を知った。 北海道の気候で生き残ることができる植物でできた植物園。武市さんの話を思いおこすたびに、文化とは彼岸にあった可能性をこちらの世界にもってくることであり、ほったらかしで捨てられている世界に対する反逆であると思う。
okatake
1
北海道の滝上町で一人で作り上げた庭。山を切り崩し、通路を作り、そしてその土地に適した植物を育て、人々を出迎えてくれる。 武市さんの挿し木の株分けをするときの言葉、「植物の根が三分間太陽の光に当たるということは、人間が水の中に三分間頭をつっこんでいるのと同じだと思えばいいんじゃないかな」武市さんにとっては当たり前の考え方でしょうが、私ははっとする。植物の立場に立っての慈しみはすばらしい。これからもこの夢の庭が多くの人を出迎えてくれるのを期待します。そして、私も一度訪れたいです。2016/08/03
鈴木正大
0
北海道滝上町、紋別に近い極寒の地で中学生の頃から約60年間を夢の庭に捧げて来た高橋武市の生涯を多くの花の写真と共に見せてくれた宝物のような一冊。来年も朱鞠内湖に行くつもりなので直線距離で70kmの「陽殖園」に行ってみたいものだ。2017/11/29
夜梨@灯れ松明の火
0
図書館2014/03/02
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