出版社内容情報
絶滅の道を辿る動物たちの足跡に交錯しているのは、そこまで追い込んだヒトの足跡だ。イヌワシ、シマフクロウ、ヤンバルクイナ、ツキノワグマなど18種類の動物とヒトとの関わりを知り、ともに21世紀を生きる道を模索する本格動物ルポルタージュ。
カワウソ、イヌワシ、シマフクロウ、コウノトリなど、ともに21世紀を迎えることができるか危ぶまれている動物達。絶滅の道をたどる彼らの足跡には、人の足跡が交錯している。今世紀の掉尾を飾る動物ルポタージュ。
目次
高知カッパ狂騒曲―ニホンカワウソ
戦争が滅ぼした魚―クニマス
天狗たちの黄昏―イヌワシ
亜熱帯のUFO―オガサワラアブラコウモリ
ウドの大魚―ウケクチウグイ
神と呼ばれた鳥―シマフクロウ
四万十の怪魚―アカメ
追われる野獣―ツキノワグマ
瑞鳥は孵化した―コウノトリ
昭和に消えた海獣―ニホンアシカ〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yamakujira
8
イヌワシ、アカメ、ツキノワグマなど、絶滅と生存の境界線上にいる日本の18種の動物を追ったルポ。平成10年発行だから、平成22年に西湖で移入個体が発見されたクニマスの朗報が届いていない一方で、平成8年にニホンカワウソの足跡が発見されて絶滅に至っていない状況を今になって読むと泣きたくなるほど切ない。林道開削、護岸工事、ダム建設、ブラックバスの違法放流、マングースやネコの野生化など、人間はなんて罪深いのだろう。価値観の問題になるけれど、憤怒と悲哀、焦燥と諦観、ないまぜになる感情に胸が痛くなる。 (★★★☆☆)2017/08/10
みい⇔みさまる@この世の悪であれ
2
☆×4.5…これは人間の愚かさを感じる本だと思います。人って現状に目をそむけるんですよね…お役所の対応がそのすべてを物語っています。特に目に付いたのは魚の外来生物による害。そこにとある業界の思惑がかかわっているのには怒りを覚えました。食えもしない魚を使ったって価値なんかないのに…こういった希少生物を守るには私たちの意志が必要だと感じました。2011/06/12