出版社内容情報
井原西鶴の『好色一代男』、平賀源内の『放屁論』、大田南畝の狂詩、また艶書の類など、笑いとエロス、強烈な風刺が入り混じった猥雑さの中に、知性と品格を秘めた名文美文の数々を採録。声に出して読むにはちょっと勇気がいる、過激な日本語の世界。
江戸時代のインテリ層は、閉塞された社会の中でその知性・教養をもてあまし、戯文をもてあそんだ。時には猛毒ある舌鋒をふるい、また素知らぬていを装って政道を茶化した。エロ話を美文で飾り、典雅な古典を下品におとしめて笑いとばした。本書は、小説・狂歌・狂詩・川柳から艶本の類まで、江戸時代のエキセントリックな詩文を集め、現代語訳も蛇足して、それらを表と裏から鑑賞する。有名無名の作者たちの、声に出して読むには憚られる卑俗な文章は、また、知性と教養に裏付けられ技巧を駆使した隠れた名文でもある。今や外国語扱いの古典の文章も、「興味本位」に読めばこんなに面白い。
内容説明
西鶴・源内・南畝・京伝・春水らが遺した、オトナだけが味わえる名文美文。声に出して読むには、ちょっと勇気がいる過激な?日本語。
目次
1 上方風味・浮世の好色
2 非常の人平賀源内の過激
3 早熟大田南畝の風俗詩
4 粛正前夜の戯作佳編
5 ひずむ歌ごころ
6 哄笑と不倫の大衆文芸
7 ふみはずした破礼
著者等紹介
棚橋正博[タナハシマサヒロ]
1947年秋田県生まれ。早稲田大学大学院修了。日本近世文学専攻。文学博士。帝京大学教授
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