1793

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  • サイズ B6判/ページ数 428p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784093567190
  • NDC分類 949.83
  • Cコード C0097

出版社内容情報

重厚でスリリングな大型北欧歴史ミステリー

1793年――フランスでは革命の混乱が続き、その年、王妃マリー・アントワネットが処刑された。スウェーデンにもその空気は広がっており、前年1792年には国王グスタフ3世が仮面舞踏会の最中に暗殺されている。無意味な戦争と貧困にあえぐ庶民の不満と、王制への不信がマグマのように煮えたぎっていた。
舞台はそんな、混沌とした時代のストックホルム。秋のある日、湖で男性の遺体が発見された。腐食はしていないが、四肢は切り落とされ、眼球をくりぬれ、舌と歯も奪われ、美しい金髪だけが残されていた。結核に冒され余命幾ばくもないインテリ法律家と、戦場帰りの荒くれ風紀取締官がタッグを組んで殺人事件の謎を追う――。
現代の洗練された美しい都市とはかけ離れた、貧しく、荒々しく、混沌とした18世紀のストックホルムをスウェーデン最古の貴族の末裔が大胆かつ繊細に描く、重厚でスリリングで濃密な、大型北欧歴史ミステリー!!

内容説明

1793年、秋。湖で発見された男の死体は四肢と両眼、舌と歯を奪われ、美しい金髪だけが残っていた。フランス革命から4年。前年に国王グスタフ3世が暗殺されたここスウェーデンにも、その風は吹きつつあった。無意味な戦争、貧困や病にあえぐ民衆の不満と怒りはマグマのように煮えたぎり、王室と警察は反逆や暴動を恐れ疑心暗鬼となっていた。そんな中で見つかった無残な死体。警視庁から依頼を受けた法律家ヴィンゲは、風紀取締官カルデルと共に捜査に乗り出す。重い結核に冒されたヴィンゲの捜査は、時間との闘いでもあった―。野心的北欧ミステリー。革命の風吹く都を描く超弩級の歴史小説!

著者等紹介

ナット・オ・ダーグ,ニクラス[ナットオダーグ,ニクラス] [Natt och Dag,Niklas]
1979年ストックホルム生まれ。ナット・オ・ダーグ家は、スウェーデンで現在も続いているなかでは最古の貴族の家系である。2006~08年まで雑誌Slitzの編集長を務めた後、フリーの著述家となり、2017年に『1793』で小説家としてデビュー。楽器演奏を特技とし、ギター、スウェーデンの民族楽器ニッケルハルパ、ハーモニカ、マンドリン、口琴、尺八を演奏する

ヘレンハルメ美穂[ヘレンハルメミホ]
国際基督教大学卒、パリ第三大学修士課程修了、スウェーデン語翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

138
北欧ミステリは、特にスウェーデンのは、残酷で残忍で面白い。タイトルの1793からフランスの話かと思ったら、その年にストックホルムで起こった事件についてだった。だんだんと時が遡る手法も、予想できるところから少し外すのも、本当に上手いなあ。三部作になるらしい。あと2作が待ちきれない。2019/09/17

nuit@積読消化中

95
面白かった!フランス革命の余波を受けているストックホルムが舞台。暗く重い雰囲気の中にも、法律家のヴィンゲと義腕の引っ立て屋カルデルのコンビがいい味を出していて希望が見える。この2人のシリーズ続いて欲しい!ヴィンゲ、病気に負けるな!と思ったら、1793年に引き続き、1794年も出てるとか。北欧ミステリは面白いなぁ。2020/02/11

papako

75
苦手な雰囲気かも?と思っていましたが、すごく楽しめました!フランス革命期のスウェーデン。手足を切り取られた死体が発見された。戦争で傷を負った男と瀕死の正義の男が出会い、事件の真祖を追う。貧困と排泄物にまみれた時代。絶望に打ちのめされそうなのに、登場人物達は生き生きしている。4部構成で、どう繋がるのか?皆に上手くいって欲しいのにハラハラ。最後のセーシルとカルデルのやりとりに涙。登場人物達の幸せを願わずにいられない。これは私にとって『いい本』の条件です。デビュー作らしい落ち着かなさもあるけど読んでよかった。2020/11/23

星落秋風五丈原

73
今では北欧のヴェニスと言われるほどのスウェーデン、ストックホルムも18世紀末は汚い街だった。死体が浮いていた湖には下水が流れ込み、道端を歩いても何を踏むか分かったものではない。しかし目に見える汚さだけがスウェーデンを覆っていたのではない。1793年-王太子はまだ幼く摂政政治が行われており政情が安定していない。権謀術策に溺れ自分だけが助かろうとする人々の心もまた汚かった。本編は1793年の一年間が舞台だが、事件が起きた秋から時系列に沿った話が進むのではなく、夏、更に春へと時間を遡り、最後に冬という構成。 2019/07/16

Panzer Leader

66
18世紀末のスウェーデンを舞台にしたミステリー歴史小説。四肢を切断された死体を巡って結核で余命幾ばくもない法律家と戦争で片腕を無くした風紀取締官が捜査に当たる。なかなか興味深いこのコンビを描く第1章から第2、3章は別々の人物を登場させる。この話も面白いんだけど二人は全く描かれず、第4章で再び登場したけどこいつら一体誰だったけと途方に暮れる自分は情けないなあ。当時の荒廃したスウェーデンの様子がまるでその場にいる様に描かれていて作者の力量を感じる。凄惨な事件の割には後味は悪くない。2020/04/25

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