Shogakukan mystery
ゼルプの欺瞞

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  • サイズ B6判/ページ数 369p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784093563321
  • NDC分類 943
  • Cコード C0097

出版社内容情報

娘が行方不明なので探してほしいという依頼を受けた私立探偵ゼルプは、女子大生の彼女の生活から手がかりを掴もうとするが、関係者は非協力的、さらに<父>だと名乗った依頼者も正体不明だとわかる。そして彼女を知っているはずの医者が殺害された!

行方不明の娘を急いで探してほしい??父親と名乗る男から電話で依頼され、調査料金まで銀行の口座に振り込まれた私立探偵ゼルプ。学生運動に関係したらしい彼女は、殆ど手がかりがなく、関係者は何故か調査に非協力的だったばかりか、彼女が一時身を隠した病院の医師も口を開かず、わずかな隙に殺害される。また直接会おうとせず、一方的に電話連絡をしてくる依頼者も父親ではなかった! 深まる謎と過去の米軍基地で起きた爆発事件が奇妙につながったとき、思いがけぬ事実が浮上してきた!!(翻訳/平野卿子)

内容説明

行方不明の娘を探してほしいという依頼を受けた私立探偵ゼルプは、女子大生の彼女の生活から手がかりを掴もうとするが、関係者は非協力的、さらに“父”だと名乗った依頼者の男も正体不明だった。そして彼女の知人である医者が殺されたとき、闇に葬られた過去の基地爆発事件が浮上してきた…。ベルンハルト・シュリンクがあの『朗読者』に先だって一九九二年に発表し、翌年ドイツ・ミステリ大賞を受賞した話題の長編小説。

著者等紹介

シュリンク,ベルンハルト[シュリンク,ベルンハルト][Schlink,Bernhard]
1944年ドイツ西部のビーレフェルト市郊外で生まれ、ハイデルベルク、マンハイムで育つ。現在法律家としてベルリンとボンに住む。87年ヴァルター・ポップと『ゼルプの裁き』を発表。翌年発表した『ゴルディアスの結び目』で89年にグラウザー賞受賞。92年発表の『ゼルブの欺瞞』でドイツ・ミステリ大賞受賞。95年の『朗読者』は世界的なベストセラーとなり、ドイツ内外の文学賞などを総なめにした
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

NAO

57
ベルンハルト・シュリンクの、私立探偵ゼルプを主人公としたミステリ第2作。娘を探してほしいという依頼を受けたが、依頼人は高圧的で秘密主義、調査を始めるとその娘の周囲も謎だらけ。さらには、警察までが介入してきた。ゼルプには、ナチス政権時代の検事で、無実の人々を強制収容所に送り込んだという暗い過去がある。彼が、誰もが自分に何かを隠した状態で圧力をかけて彼が持つ情報を聞き出そうとする人々に強い反発を感じるのはそのためだろうか。レオに対する驚くほどの優しさも、過去の自分の罪滅ぼしの気持ちなのだろうか。2022/12/30

キムチ27

44
ナチス施政12年間の世代は第一世代とか・・ゼルプはその世代。巻末で筆者が述べるように(といってもゼルプの口を借りたシュリンクの呟きと取れる)過ぎたことは水に流そうというのは受け入れられない・・と。これが全体を通じてゼルプのポリシーとして流れている。犯罪自体は20世紀後半に入っての事件の処理だが(おのずと犯行の主役は第2世代・・従ってある意味対立的相克)嫌でもナチの影を引きずっているサスペンス。2作目ともなればなじみにくい名前も大分慣れた。私は面白かったけれど、ほぼゼルプの独壇場的作品は好き嫌い分かれるかも2017/09/18

A.T

16
どうしてもナチスの時代まで遡ってしまうのね。私立探偵ゼルプは、かつてナチスとして検察官を担っていた経歴を持つ。そして今回の事件は… 行方不明の女子大学生を追ううちに左翼ゲリラ一味にたどり着いてしまう。殺人事件にも発展するが、その犯人に突きあたる頃には、もうストーリーに興味が持てなくなってしまった。「朗読者」の作者による、私立探偵ゼルプシリーズ2作目。2023/03/21

Masako Yamada

3
1992年ドイツミステリ大賞。 主人公は元検事で戦後に私立探偵となった69歳。「年をとったことは嘆いてはいない。けれども、若くて恋をしている人間しかこの世に居場所がない、そんな初夏の宵があるのもまた事実なのだ」212P   父子、母子、友情がからみあい、テロの世代があぶりだされる。友人の警視正の独特のユーモアもよいですね。食べ物の描写もあり、259頁のバローロ、210頁のクレーセって?何なのでしょうか?結婚はまだ早い?と思っている69歳がよく食べるのですよお。アクションは期待できないが人生はある一冊。2017/10/15

いっこ

3
読者としては、前作の『ゼルプの裁判』を引きずって読み始めたのだが、今回の事件のみにゼルプと共にはまってしまった。あとがきで、『ゼルプの殺人』には、あの事件の結末が重奏低音のごとく流れていると書かれているので、期待したい。2017/08/29

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