出版社内容情報
頭にある脳が身体すべてを支配するという考え方に大転換を迫るのは、「第二の脳」とも言うべき独立独歩の腸神経系の発見であった。「医学の常識」を覆して腸神経系が認められるまでのドラマと、腸神経系のメカニズムを解説。
腸のルネッサンスが始まっている!
頭にある脳が身体すべてを支配するという考え方に大転換を迫るのは、「第二の脳」とも言うべき腸神経系の発見であった。腸には、その他の末梢神経系すべてを合わせたよりも多くの神経細胞があり、神経伝達物質もそろっていて、頭の脳との連絡をすべて断ち切られてもやっていける独立独歩の存在があるのだ。頭の脳を万能と考える「医学の常識」を覆して腸神経系が世に認められるまでのドラマと、食道下部から直腸までを担当する腸神経系のメカニズムをわかりやすく語る。胃が痛いのは、大脳がストレスを感じたからではなく、腸の「神経症」なのかも?!
目次
1 セカンドブレインの発見(研究の歴史―発見され、埋もれ、そして再発見;私の研究―腸の真実を明らかに;シンシナティでの対決―不安と勝利)
2 消化管の旅(のどから胃まで―精妙な調節のステージ;さらに先へ、そして下へ―それぞれがユニークな機能;旅はまだ続く―自衛のメカニズム)
3 セカンドブレインはいま(腸神経系が導く新薬開発―患者に笑顔を;腸のこれから―基礎研究からの贈り物)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
荒野の狼
3
原著は大著ですが、この本はそれを3分の一ほどに短縮した抄訳です。抄訳と断っていないため、原文と比較しないと、抄訳と気がつかないかもしれません。数節がところどころ省かれているにも、かかわらず文章の意味は、とおっています。概要を知りたい人にはいいかもしれません。全訳の出版が待たれます。2007/11/25
Bamboo
3
腸にも脳があることを証明することを使命とした研究者マイケル・D・ガージョンの苦悩と成功が、読む人の心を揺さぶります。胃腸障害は神経症ではないことを、様々研究成果を以って証明していく姿は感動します。2014/12/31
h5y1m141
3
読もうと思ったきっかけ:ナチュラルハイジーン関連の本つながりでたぶん知った気がする 読んでみて:脳からの信号があまり影響をうけず腸は独自に神経をコントロールしているという感じの話はなかなか面白い。 読了して思ったのは、腸から発せられるセロトニンの分泌量と過敏性腸症候群って何か関連があるのかなーと素人発想で思ったので何か関連する書籍を読んでみたい
KeikoYo
2
仕事上で必要な知識として。腸は脳からの指令がなくとも、独自で調整する働きがある、ということに驚いた。食物を「体内に取り込む」とは、単純に口に入れることではなく、消化吸収器官で必要な栄養素として取り込まれて、初めて「体内」に取り込まれたことになる、という考えに、納得。2016/04/19
トコ
2
消化器系の働きにただただ感動しました。そんな複雑なことをやってくれていたのか! と。再読したいと思いながら果たせないでいます。
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- 和書
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